自分を見極める

12月8日(金)

受験講座のあと、Dさんが思いつめたような表情で私のところへ来ました。物理の基礎的な問題集を紹介してくれとのことでした。手ごろな問題集を紹介してあげると、「先生、私の頭は理科系ですか」と更なる質問。要するに、始まったばかりの物理の受験講座が難しく感じられ、自分の進路はこのままでいいのだろうかと、不安に駆られているのです。

Dさんは11月のEJUを受けました。結果はまだ出ていませんが、手応えはあまりよくなかったようです。たとえ本当に結果がよくなくても、今回は中級で受けていますから、上級で受けることになる来年6月のEJUは、伸びが期待できます。しかし、その次の来年11月は、6月よりよくなる保証はありません。今までの学生たちの実績から考えて、大きな上積みは望めないでしょう。つまり、6月までにどこまで実力が伸ばせるかが勝負です。

そう考えた時、Dさんが理系の頭脳を持っているかどうかは非常に大きな問題です。理系的なカンが働かない学生は、いくら勉強しても平均点ちょっと上くらいで頭打ちになります。残酷な話ですが、今まで理系に挑んだ学生たちの成績が、それを雄弁に物語っています。

Dさんは謙虚な人だと思います。Tさん、Sさん、Kさん、…自分の実力を過大評価して沈んでいった学生たちは、こちらがどんなに口を酸っぱくして注意しようが、基礎から勉強しなおそうとせず、やたら難しい問題ばかりやって、答を見ただけでわかったつもりになっていました。基礎部分を補強してから前進しようとしているDさんは、Tさんたちの成績は上回るでしょう。でも、理系の頭を持っていなかったら、その上は厳しいかもしれません。

Dさんは自分に足りないものを見極める目を持っています。そしてそれを補うために自分で動こうとする行動力も持ち合わせています。この2つがあれば、どんな道に進もうとも、きっと生き抜いていけると信じています。

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