辛口

10月10日(火)

始業日の前日は、前の学期に担任をしたクラスの学生に成績表を送ります。成績表の数字は機械的に計算されたものですから、私が個人的な感情をさしはさむ余地はありません。しかし、教師からのコメント欄には3か月間の思いをこめた一言を書きます。

先学期私が担任をしたクラスは、いい学生は文句のつけようがないくらいすばらしく、悪い学生は絶句するほどひどいという、両極端の学生が集まったクラスでした。前者のコメントはすらすら筆が進みましたが、後者は成績の悪さ、出席率の低さを指摘しているうちにムカついてきて、仕事がはかどりませんでした。

本当は、後者の学生にこそ心のこもったコメントを送り、立ち直るきっかけを与えるべきなのでしょう。でも、心をこめてしまうと、どうしてもきつい言葉ばかりになり、学生をさらに絶望の淵に追い込みかねません。かといって、勉強が足りなかったこと、学校中心の生活になっていなかったことを指摘しないと、そういう学生たちは同じ失敗を繰り返すでしょう。耳の痛い言葉にも耳を傾けなければなりません。良薬は口に苦しです。

本当に私の気持ちが伝わってほしいのは後者の学生たちですが、こういう学生はえてして成績表の数字だけ見てコメント欄には目を通さないんですよね。次の学期に立ち直れば、多少なりともこちらの思いが届いたかなと思えます。逆に、次の学期もぐうたらしている様子が知らせられると、徒労感に襲われます。さじを3本ぐらい投げつけてやりたくなります。

辛口のコメントを送った学生たちは、明日、どんな顔を見せてくれるでしょう。まさか、休むんじゃないでしょうね。

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