声に出して読む

2月27日(火)

今学期の火曜日の選択授業は、「声に出して読む日本語」という科目で、ニュースの原稿を読んだりエッセイを朗読したりしました。卒業生中心のクラスなので、今回が最終回で、期末テストをしました。学期の最初から読んできたエッセイの最後の部分を声に出して読んでもらいました。

採点するつもりできちんと聞いてみると、学生ごとの読み方の癖が浮かび上がってきました。それは同時に、留学生全体の日本語の発音やイントネーションの弱点でもあります。

一番多かったのが、清音を濁音に近い音で読むパターンです。例えば、「見て」が「見で」となってしまうのです。濁音というくらいですから、きれいには聞こえません。文全体のイントネーションがよくても、気持ちを込めてセリフを読んでも、濁音がみんな帳消しにしてしまいます。

それと同じぐらい目立ったのが、促音の脱落です。「そんなことがあったっけ」みたいに、促音が続くとうまく発音しきれない学生がかなりいました。テストを早く終わらせようと急いで読むと、「そんなことがあたけ」と聞こえてきてしまいます。超級の学生でも、促音のリズムを正確に刻むのは難しいようです。

これらに対して、長音はみんなわりときちんと音を伸ばしていました。毎回かなりしつこくしてきた甲斐が、いくらかはあったようです。もう1学期続けて授業ができるなら、促音の不正確な発音をしつこく指摘し、早口でも促音を落とすことなく読めるようにできたかもしれません。

でも、このクラスの学生たちはもうすぐ卒業です。ここから先は、進学先で日本語を使いながら鍛えてもらうことに期待をかけましょう。

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