あるアルバイト

4月25日(水)

Rさんは、今学期、遅刻欠席が目立ちます。出てきても、こちらが油断すると居眠りを始めることがよくあり、精彩を欠く毎日です。聞くところによると、介護施設で深夜のアルバイトをしているということです。

Rさんは福祉関係の勉強をしようとしているわけではありません。純粋に生活費・学費を稼ぐためのアルバイトです。だから、飲食店やコンビニなど、留学生がたくさんいるアルバイト先でもいいのですが、おそらく給料の関係でこのアルバイトを選んだのでしょう。

仮眠時間は設けられていますが、介護施設ですから、入居者に呼ばれれば仮眠時間を割いても対応しなければなりません。それがほぼ常態化しているようで、だから学校で眠くなってしまうのです。飲食店やコンビニなど、留学生が大勢いるところに比べて、かなり厳しい条件のようです。

日本全国の介護施設がこうなのでしょうね。人手が足りず、でも介護施設としての責任を果たすために働き手にしわ寄せが来る――日本の福祉の脆弱な部分を見せ付けられているような気がしました。今後しばらくお年寄りは増え続けるでしょうが、そのお世話をする若者は減り続けます。Rさんのような外国人アルバイトに頼らざるを得ない場面が多くなっていくでしょう。

ふと、資格はどうなのかなと思いました。Rさんが介護に関する資格を持っているとは思えません。そういう資格を持っている人の監督の下で、限定的な業務なら無資格でも携われるのかもしれません。でも、それがなし崩し的に拡大解釈されていったら、いったいどうなるでしょう。

私はまだまだ介護施設のお世話になるつもりはありませんが、私がお世話になることはこの状況がさらに深刻化しているおそれもあります。今から足腰を鍛え、野菜や果物をたくさん食べ、死ぬ直前までピンシャンしていたいものです。仕事明けで電車の中でうっかり寝過ごしたという昨日のRさんの遅刻理由を聞きながら、そんなことを思っていました。

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