勘を磨く

6月7日(木)

朝、昨日担当した中級クラスの文法テストの採点をしました。1枚目の学生が結構いい成績でしたから調子よく行きそうだと思ったら、2枚目からがガタガタで、終わってみれば赤点の山でした。

中級も後半となると、使用範囲が限られていたり、前件の動詞などの活用形が決まっていたり、後件のテンスやモダリティーに制限があったりなど、取り扱い注意の文法項目が連続して登場します。そういう文法は汎用性はありませんが、ここぞというときに使うと文が引き締まります。ですから、小論文などで用いてほしいのですが、テストの結果を見る限り、それはまだまだ先のことのようです。

学生たちはそういう文法に触れたことがないかというと、そんなことはないはずです。聞いたり読んだりはしていますが、文脈から意味がわかってしまい、そこに使われている文法はスルーしてしまっているのです。それに改めて目を向け、きちんと覚え、今度は話したり書いたりできるようになってもらおうと思っているのですが、これが一筋縄ではいかないのです。

超級ともなると勘が働いて、要注意の部分を上手にクリアして使えるようになってきます。この勘を鋭くするには、アンテナの感度を高めて、教わった文法が使われている場面をすかさずキャチして、使用状況を分析することが必要です。時々、この前こういうときのこういう文法を使っていたのだが、これは正しい使い方だろうかと聞かれることがあります。これができる学生は、一般に好奇心が強いですね。成績優秀でも自己完結してしまう学生は、ここまでには至りません。

中級の学生たちに、今、それを求めるのは酷ですが、そういう方向に成長していってほしいと思いながら、赤点を成績簿に入力しました。

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