例文の表情

7月17日(火)

先週末に、先学期習った文法で例文を作ってくる宿題が出ており、それを回収しました。冒険をせずに、教科書の例文にちょっと手を加えただけの文を書いてきた学生もいれば、独自のアイデアで例文を作ってきた学生もいました。もちろん、後者の例文は読んでいて面白いですし、その学生の人となりもうかがわれて、新学期早々で学生の顔と名前が完全に一致していない教師としてはありがたい限りです。

Gさんはやたらとお酒をテーマにしています。「私は酒を飲むのが好きです」と、ど真ん中の直球を投げ込まれると、思わず笑ってしまいます。大学院志望の学生ですから、お酒を飲んではいけない年齢ではありませんが、飲みすぎが気になります。でも、こういう学生がよくクラスの核になってくれるんですよね。

このクラスの学生は海を見るのが好きらしく、「海はいい景色」関係の例文が4名ほど。学生たちの出身地までは把握していませんが、海は憧れの的なのでしょうか。北海道も人気で、3名が取り上げていました。週末は猛暑が続きましたから、北海道になおのこと惹かれるのかな。

気になるのはWさんで、「友達が私の教科書を持ってきてくれました」と、文法的には整っていますが、いったいどういう場面なのだろうと首をひねらざるを得ない例文を提出してきました。本人の頭の中では、例えば「私が学校に忘れた教科書」とかいうことで破綻が生じていないのかもしれませんが、自己完結している点が問題です。明日の先生に、返すときに真意を確かめてもらいます。

初級の学生の例文ですから、“文は人なり”などとは言いません。でも、学生の本当の表情を垣間見ながら、楽しく添削できました。

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