テストができる

8月15日(水)

中間テストの採点をすると、やはり緻密に勉強している学生は成績がいいです。話すだけならクラスで一番のCさんも、筆答試験となるときちんと積み上げてきているBさんにはかないません。コミュニケーション力ならAさんがピカイチですが、試験の点数ではBさんに一歩譲ります。

ペーパーテストの場合、濁点を落としたり誤字を書いたりしたら、どんどん減点されます。会話力だったら勢いや強い印象が重要なポイントですが、中間テストなどでは正確さがそれ以上のポイントとなります。ですから、地味ですが理詰めで論理的な頭脳を持っているBさんのような学生が有利になります。注意力が勝負だとも言えますから、几帳面なBさんがなお有利です。

音声言語は録音しない限り後には残りませんが、文字言語はしっかり記録されます。そのため、間違いも解答用紙の上に固定化されます。逆に、正確な日本語も目に見える形で光り続けます。だから、よけいにBさんの上手さが焼き付けられ、高く評価したくなります。

Bさんはペーパーテストしかできない偏った学生だと言いたいわけではありません。むしろその逆で、話すインパクトは弱いけれどもよく聞けばすばらしいことを言っているし、それは実は文法や語彙の使い方の正確さに裏付けられていたのだと、改めて感心しています。

頭でっかちの学生は、テストで点を稼いで、言語不明瞭なまま進級していきます。例文レベルなら〇がもらえる程度のものが書けるけれども、作文となったら論旨を追うだけで疲れ果ててしまうような文章しかかけない学生も、思いつくだけで数名います。テストで測りきれない力を持っていることこそが、本当に「上手」な人なのです。その点で言えば、CさんもAさんも立派なものだと思います。

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