緊張感

1月11日(金)

国立大学を狙う人たちはこれからが本番で、ピリピリした雰囲気を漂わせながら新学期の教室に入ってきた学生も少なくありませんでした。街を吹き渡る肌を刺す北風とともに、教室や図書室にこの空気が流れ出すと、私は真冬を感じます。

今年のKCPの冬将軍はMさんでしょうか。昨年末ぐらいから頭が入試でいっぱいになっていることが、手に取るようにわかります。ちょっと飛ばしすぎじゃないかなあ。本番までまだ少し時間があるのですから、1人で10人分の緊張オーラを振りまいていたら、試験日に面接官に向かって発すべきオーラが涸れてしまうじゃないですか。

その点、Sさんはのんきなものです。関西の大学を受験しがてら、3連休は国から来た家族と一緒に旅行だそうです。もちろん、受験した大学に受からなければただの記念受験になってしまいますから、受験までは遊びたい気持ちは抑えてもらわなければなりません。でも、これぐらいのお楽しみがあったほうが、試験勉強にも身が入るんじゃないかな。

どこも行き先が決まらないまま卒業の日が近づいてくるというのは、だんだん追い詰められていくようで、学生にとっては居心地の悪いことだと思います。日本語学校には最長2年までしかいられませんから、3月末までに進学先が決まらなかったら、帰国しなければなりません。そのため、日本人の受験生にはないプレッシャーがかかります。

新学期早々、そんな学生を集めて進学相談会を開きました。ほとんどの学生が最悪の場合に備えて何か考えていましたが、Hさんはそこまでの覚悟がなさそうでした。卒業後も漠然と日本で暮らすことしか考えていないHさんは、根拠のない「大丈夫です」を繰り返すばかりでした。その楽観主義を徹底的にたたきつぶし、どうにかこうにか最悪の想定をさせました。

これから、胃の痛くなる季節が続きます。

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