伸びていくには

3月19日(火)

自動詞と他動詞のペアで例文を書いてくる宿題がありました。このクラスの学生たちは、順調に行けば来学期中級に上がることになっていますが、順調とは言いかねる人もいます。

できるだけ長い例文を書くようにという指示を出していますが、そんなのは全く無視して、「財布が落ちています/財布を落としました」などという、教科書の導入例文をそのまんまもってきたようなのを書いてきた学生もいます。一方、今まで習った文法を駆使してプリントの幅いっぱいに書いてきた学生もいます。前者はもう一度同じレベルをしなければならないかもしれませんし、後者は進級してもかなりの成績を残すでしょう。もう3か月を切った6月のEJUでも上級の学生に迫る点数をたたき出すかもしれません。

選択肢の問題や穴埋めで文を作る問題だと、文を作る能力がなくても、カンや教科書丸暗記でもある程度の点は取れます。しかし、そういう支えがなくなったときに、カンや丸暗記だけでは対処できない問題にどれだけ答えられるかで、その学生の実力が見えてくるものだと思います。これをさらに発展させると、入試の面接や口頭試問につながっていくのです。

今シーズンの入試結果を振り返ると、どうもこの辺の指導が甘かったように思えてなりません。ですから、今のクラスの学生たちを厳しく鍛えたいのです。今のうちからたたいていけば、そして学生たちがそれについてきてくれれば、来年の今頃、笑っていられることでしょう。

そう思って、例文の宿題は隙間なく朱を入れました。動詞の自他の間違いだけにとどまりません。習った文法を使うべきところで使うように、初級レベルのミスを繰り返さぬように、そして、できる学生にはちょっと背伸びした添削もしました。学生たちが受け止めてくれるのは、この数分の一か数十分の一かもしれませんが、ゼロではないと信じて、直し続けていきます。

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