首席卒業

3月26日(火)

午前中の期末テストが終わり、午後のクラスの試験監督に向かおうとしていた時、N先生が採点担当になっている答案を受け取りに見えました。そして、「こんなのが入ってきたんですよ」と言いながらN先生が差し出したスマホを見ると、S大学に進学した卒業生からのメッセージがありました。学科首席で卒業し、4月から大学院に進学するそうです。

それは非常にめでたいのですが、N先生も私も周りの先生方も、みんなその卒業生の名前が思い浮かびません。顔は覚えているのですが、名前はどうしても出てきません。そのメッセージが名無しの権兵衛というのが一番いけないのですが、でも、みんな優秀な学生だったことだけは覚えているのです。

名前が気になりながら試験監督をし、戻ってきてから数年前の古いデータを当たりました。「N先生、Tさんですよ」と告げると、N先生始め名前をどうしても思い出せなかった面々が、みんな膝を打ちました。

Tさんはレベル1でKCPに入り、着実に進級を重ね、国立のS大学に進学しました。S大学よりも偏差値的に上の大学も狙えましたが、Tさんのしたいことに関してはS大学は定評があるので、あえて上位校は受けませんでした。でも、こうして学科首席で卒業となると、S大学は本当にSさんに合っていたのだと思います。私もこういう進路指導をしたいと常々思っています。名の通った大学に進学することだけが、その学生にとって幸せだとは限らないのです。

学生は情報を持っていません。私たちだって何でも知っているわけではありませんが、学生よりは大きな目を持っています。それをいかに学生のために生かしていくか、さあ、4月になったらまた新しい学生の進路指導をしていかなければなりません。

それよりも前に、卒業生の顔と名前を忘れないようにしなきゃね。

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