末期症状

8月12日(水)

私のクラスは5名の欠席でした。授業後その5名に電話を掛けるとOさんにつながりました。

「今日は学校を休みましたが、どうしたんですか」

「明日は中間テストですから、うちでずっと漢字の勉強をしました」

「今日は文法と聴解で大切なことをしましたよ」

「でも私は漢字のほうが下手(=苦手)ですから」

「じゃあ、文法は勉強しなくても大丈夫なんですね」

「いいえ…」

「うちで勉強するから休んでもいいという考え方は間違っていると思います」

…と、まあ、コミュニケーションが成り立っているのかいないのか、若干わかりにくいやりとりをしました。

毎学期、こういう学生がいます。私はそういう学生を見ると、末期症状だなと思います。KCPの定期試験ごときで、しかも初級レベルで学校を休まなきゃならないほど追い込まれていたら、日本で日本語を使って何かをしようなんて、到底無理ですよ。

こういう学生は、本当に目先のことしか見えていないのです。Oさんの場合、漢字がわからないとなったら、今勉強している文法の重要度など吹っ飛んでしまったのでしょう。初級の半ばぐらいまで来てサバイバル文法から脱皮して、小技を利かせて細かいところまで表現できる言い方を勉強しているのに、それが目に入らなくなっています。今日授業でやった「~ています」なんて、日本人が口癖のように使っている表現ですよ。それを勉強・練習するチャンスを捨ててしまったのです。

KCPは学校でクラス授業を受けることを前提にカリキュラムを組み、それを実施しています。中間テストの前日に休んで漢字の勉強をする学生のことなど、1ミリも考えていません。ですから、今日欠席して「~てしまいます」がすっぽり抜けてしまったOさんのような学生は非常な不利を被ります。

Oさん、明日のテストで学校を休んでまでも勉強した甲斐が感じられる成績が取れるでしょうか。

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