小説を読む

10月30日(金)

金曜日の選択授業、私の担当は「小説を読む」です。ただ読むだけでは受け身すぎるので、何だかんだと理由をつけては書かせています。最上級クラスですから、文章力のある学生の作品を読んでいると、彼らにとって外国語で書いているのだということを忘れてしまいそうになります。

思うに、そういう学生は国にいたときから文章を書くのが好きで、実際に書いていたのでしょう。同時に、質の高い文章をたくさん読んできているとも思います。文章の構成、論の進め方が理にかなっています。読み手の引き付け方が、おそらくは自然に、身に付いています。

学問をして大成するのは、こんな人たちだと思います。文章を書いたり読んだりするということは、説得したりされたり、反論されたりしたりということであり、まさに学問の基礎です。本人の意識はともかく、頭脳はそういう訓練をして満を持して留学に来ているのです。これからも今までのペースで努力を続ければ、成功は向こうから転がり込んできます。そして、それは、おそらく、彼らにとってそんなに難しいことではないはずです。

そういう学生たちの唯一の弱点は、使うことばのレベルです。やっぱり、どうしても易しい言葉を使いまわしがちで、表現の深みが今一歩です。そういう点を学生たちに示し、意味が通じるプラスアルファの要素があることを伝えました。今学期いっぱい、この学生たちの成長を見守っていきたいです。成長を実感したいです。

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