苦労が実って

3月7日(土)

お昼を食べて一息ついていたら、Hさんが来て、T大学に受かったとうれしいニュースをもたらしてくれました。まだもう1校残っていますが、今まで何校か受けた国公立大学に全勝です。出願の際にトラブルに見舞われるなど紆余曲折がありましたが、それにもめげず1年間蓄えた力を一気に発揮し、大輪の花を咲かせました。

Hさんの何より偉いところは、目標をあきらめず1年間努力し続けたところです。去年のこの学期は同級生を見送る立場でした。“いい大学”に進学していく友達を祝福しながら、大いに期するところがあったはずです。ここまでは誰でもできますが、その気持ちを持続し、描いた夢を実現させることは並大抵のことではありません。Hさんは「先生方のおかげで…」と言っていましたが、Hさん自身の努力と精神力の賜物です。

1年前に私が最も心配したのは、この持続力でした。楽な道に進んでしまうのではないかと危惧していましたが、見事に裏切られました。また、Hさんは他の学生より年上のため、伸び代がどれだけあるのかも気懸かりな点でした。夏から秋にかけての頃、私にしてくる質問のレベルが上がってきたので、力はつけつつあると感じていました。そして、冬を迎える頃には横綱の貫禄が漂っていました。

Hさんのように苦労が実った学生がいる一方で、苦労から逃げ続けたあげく年貢が払い切れていない学生、苦労したのに学問の神様が微笑んでくれなかった学生など、“無所属新”のまま卒業式を迎えそうな学生もいます。全てがうまくいくなんてことはないんですが、何ともしてあげられないことにもどかしさを感じます。

Hさんはもう1校の結果のいかんによらずT大学に進むそうです。4月からさらに大きく羽ばたいてもらいたいです。

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