第一志望に合格

12月14日(月)

PさんがT大学に合格しました。第一志望の大学なので、Pさんの受験はこれでおしまいで、あとは3月の卒業式まで、悠々自適の生活です。T大学は、無名の大学とまでは言いませんが、全国的に名の通った大学かといえば、そうではありません。Pさんの力なら、T大学よりも有名な大学、国立大学にも十分合格できると思いますが、Pさんはそんなことには頓着しません。

入学間もないPさんから相談を受けた時、T大学以外にもPさんの勉強したいことが勉強できる大学があると思っていましたが、意外なほどに見つかりませんでした。教授の研究レベルならあるのですが、それに関する授業は1つか2つというパターンがほとんどでした。それでも何校かよさそうな大学を選びを出し、その中のいくつかはPさん自らオープンキャンパスなどに足を運んで実地検分してきましたが、T大学に勝る大学はありませんでした。

進学の担当者としては、Pさんほどの実力者には国立大学も受けてほしいですし、そして合格者リストに名を連ねてもらいたいです。失礼を承知で言わせてもらうと、T大学で打ち止めというのは、もったいないです。でも、誰よりもPさん自身がT大学合格を喜んでいて、大学生活に夢を描いているのです。私を含めた周囲の教師のアドバイスを参考にし、かなり綿密に調べた上での進路決定ですから、もはやどうのこうのというべきことではありません。

もう10年ぐらい前ですが、JさんもPさんみたいな学生でした。優秀な学生でしたが、有名大学には目もくれず、私も初めて名前を聞くようなN大学に入りました。在学中何回かKCPに顔を出してくれましたが、目を輝かせながら充実した大学生活を語ってくれました。最近は音信不通でしたが、日本で専門が活かせる職を得て、忙しい日々を送っているという噂を最近耳にしました。Pさんも、何年か後には、きっとこうなるのでしょう。

その一方で、学部は問わずとにかくK大学とか、MARCHならどこでもいいとか言っている学生が大勢います。同時に、進学実績を上げるという名の下に、そういう学生に手を貸している自分がいます。Pさんの純粋さに比べたら、なんと不純かついい加減なのでしょう。自分の将来像など見当もつかないというのが学生の正直な気持ちかもしれませんが、そういう学生に将来像をきちんと描かせることこそ、真の教育だとも思います。

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