これから胸突き八丁

5月24日(火)

最上級クラスの語彙の中間テストを採点しました。満点に近い学生から半分も取れない学生まで、けっこう点の開きができました。半分も取れていない学生は出席率が悪いか勉強不足なので問題外ですが、80点ぐらいから上の学生たちの答案を見比べると、誤文訂正の問題で差がついていました。

成績上位の学生たちは、選択問題はもちろんのこと、短文を作る問題でも大きな差はつきませんでした。しかし、語句の誤った使い方を直す問題では、誤りを見つけられない学生が点を落とし、見つけてきちんと直せた学生に差をつけられました。この、K先生渾身の誤文は、学生がやらかしそうなミスを実にうまく捕らえていて、単なる上級レベルの力の学生がまんまと引っかかってしまったというわけです。

つまり、聞いてわかる、読んでわかるという理解語彙のレベルではあるけれども、話したり書いたりできる使用語彙のレベルに至っていなかったということです。ノリでしゃべっちゃったら聞いてるほうも勢いでわかっちゃうかもしれませんが、その使い方が文字という形で固定されると、間違いが白日のもとにさらされてしまうのです。最上級クラスの大半が進学希望ですから、しかも「いい大学・大学院」を考えていますから、ノリや勢いではない、足が地に着いた日本語力が求められます。それを思うと、この学生たちはまだまだだなと思わざるを得ません。

授業は初級クラス。昨日の中間テストは難しかったといっていました。でも、それぞれのレベルで学生たちの真価が問われるのは、中間テスト以降なのです。今までもそうですが、これから中上級になってもよく間違える文法が出てくるのです。実は、上述の最上級クラスの学生たちが引っかかった問題の一部は、今私が教えているレベルの文法の応用問題でもあるのです。授業でそういうことを盛んに強調しましたが、初級の学生には、「金原先生、やけに熱くなっちゃってるけど…」ぐらいだったかもしれません。

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