低度

7月21日(木)

私のクラスのTさんは、今学期、初級の同じレベルをもう一度勉強することになった学生です。全然できないわけではなく、Tさんの最大の問題は、よく休むことです。よく休むから受けなかったテストもあり、それが足を引っ張って進級できる成績が取れなかったのです。

Tさんも、新入生だった先学期、自分では思ってもみなかった低いレベルに入れられ、勉強がつまらなくなってしまいました。授業中に新しい発見ができなかったのです。じゃあレベル判定が間違っていたのかというと、決してそんなことはありません。Tさんの話し方を聞いていると、今のレベルで勉強する内容の抜け落ちが随所にあります。つまり、授業中に新しい発見はいくらでもできたのに、自分の手で自分の耳目をふさいでしまったため、全く進歩ができなかったのです。

残念ながら、今学期のTさんもその点は変わっていないようです。自分はできると根拠もなく信じているので、正確さが欠けたままです。指摘してもケアレスミスだからと軽く流されてしまいます。でも、Tさんの実力はそのケアができない「低度」なのです。日本語教師なら理解できますが、Tさんの志望校の面接官は、Tさんの日本語でTさんの熱き思いを感じ取ることはできないでしょう。

そして、今日も14分の遅刻。授業中もみんなが口を開いて練習しているのに、やる気のなさそうな視線を下に向けているだけ。この調子が続けば、来学期も同じレベルかもしれません。

Tさんもやっぱり一度痛い目に遭わないと、自分の実力を正面から見つめることはしないのでしょう。

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