光電効果

9月17日(土)

私が大学受験のころというと、もう40年近くも前のことです。そのころと比べると、各教科の勉強内容は変わっています。世界史や日本史、政治経済は、その後の約40年分がそっくりそのまま加わっています。地理は、東欧を始め、国境線が変わったところがあり、また、産業の新陳代謝により、工業地域にも変化が見られるなど、各国の産業構造も私の頃とは違ってきています。

理科は、40年前も今も、F=maであり、塩化ナトリウムはNaClです。この間、科学技術は大きく発展したものの、高校で習うような基本ラインは、物理や化学は社会科に比べたら変化が少ないのではないでしょうか。理科の中でも生物はずいぶん変わりました。私が大学に入った頃からバイオテクノロジーの進展が著しく、私が大学院や就職してから最新分野として勉強したことが、今は普通に教科書に載っています。

受験講座の理科を担当するに当たり、生物は新たに知識を堆積していく必要に迫られました。それだけに、驚きの連続でした。教科書のページをめくるたびに「へー」と感嘆していました。一方、物理や化学は新たに学び直すと言うよりはカンを取り戻すといった感じで頭を鍛えました。受験生のころ解いた問題のパターンがだんだん呼び起こされ、昔取った杵柄という言葉を実感したものです。

では、物理・化学には全然新しい部分がないのかというと、もちろんそんなことはありません。ことに、昨年から大学入試に適用され始めた新しい学習指導要領に基づく大学入試には、私の頃には取り扱わなかった内容が含まれるようになってきました。

例えば物理の量子力学です。量子力学そのものは私の頃にもあり、もしかすると教科書にも載っていたかもしれませんが、詳しく勉強した記憶がありません。ですから、今、暇を見てはそちらの勉強をしています。受験講座を取っている学生たちも、みんなこの方面が弱いときていますから、なおのこと教える立場の者がしっかりしなければなりません。

今週は予定外の仕事がぼこぼこ入って、やろうと思っていたことがあまり進んでいませんでした。授業のない土曜日にようやく追いついたと思ったら、物理の宿題で出しておいた光電効果の問題がわからないという学生が続出し、彼らがわかるような説明を考えなければならなくなりました。6月のEJUの問題も未着手なのに…。

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