突然の雷鳴

4月28日(火)

教室で、一人でオンラインの受験講座をしていたら、突然、ものすごい雷鳴が聞こえました。思わず説明の声を止めて窓の外に目をやると、薄暗くなっていました。稲光はあったのでしょうか。“ピカッ”はなかったようですが、至近距離に雷が落ちたのでしょう。学生たちのうちの近くはどうだったか聞いてみましたけれども、特に反応はありませんでした。

ごく狭い範囲の雷だったようです。受験講座が終わるころには青空になっていました。気象庁の観測データによると、ちょうど私が授業をしていた頃に新宿のやや北側を雷雲が通り抜けていったようです。アメダスの隙間を抜けていったのでしょうか、練馬、府中、世田谷、東京(丸の内)、いずれも大した雨量は記録されていません。これのさらに強力なのが、ゲリラ豪雨なのです。

最近、上空に寒気が流れ込んでいるのか、よくにわか雨が降ります。今年はSTAY HOME週間です。へたにいいお天気になるよりも、雨でも降っていた方が、恨めしくならなくて精神衛生上よろしいんじゃないでしょうか。出かけるはずだった人々も、その人たちを受け入れる立場の人たちも、「どうせ雨だったんだから…」と、多少はあきらめがつくでしょう。

今年は、官公庁に合わせて、KCPも5月1日から上着・ネクタイを外してもいい夏装束としました。最近気温が平年よりも低めに推移しているので、ちょっと早まったかもしれないと心配もしています。でも、週末は夏日になるという予報を出しているところもあります。それを信じていきましょう。

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不安を乗り越えて

4月27日(月)

今月の最初から続いていた日本語教師養成講座の講義が、とりあえず終わりました。オンラインで養成講座の授業をするのは初めてでしたから、やりにくさは最後まで拭えませんでした。

顔は一応見えているのですが、細かい表情を読み取ることは難しく、私の話がどこまで伝わったか、びくびくしながらの授業が最後まで続きました。受講生のみなさんは優秀なようで、こちらからの問いかけにはおおむね的確に答えてくれました。ですから、そこそこ理解が進んでいるのだろうと勝手に想像しています。

でも、ミュートが原則ですから、受講生のつぶやきが聞こえません。教室でやっていた時はそういう独り言を拾ったり受講生同士の会話を聞き取ったりして、理解の進み具合を測ってきました。今回はそれができなかったのがつらかったです。自分の授業が上滑りしているのではないかと、どこか不安を抱えながらの授業でした。

そういう引っ掛かりというかつまずきというか、うまく進まない要素が見えませんから、放っておくと教室での授業よりテンポよく進んでしまいます。それゆえ、意識して以前の内容に触れて、復習のきっかけを作りました。授業内容が相互に絡み合っているということが受講生に伝われば、教室での授業より効果が上がるかもしれません。

私の養成講座の授業はしばらくお休みですが、6月にまた何回かあり、7月は後半の授業も始まります。そのころまでオンライン授業が続いているかどうかわかりませんが、それに向けての対応は抜かりなく考えておかなければなりません。

受講生のみなさんは、明日、オンラインの会話の授業に加わります。実際に日本語学校の学生と話すのは、これが初めてではないでしょうか。うまくコミュニケーションができるだろうかと、なんだか緊張しているみたいでしたから、「わからない、伝わらないという経験も、学生にとっては大事な経験です」と、励ましました。

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早お昼

4月24日(金)

今学期は午後から受験講座というパターンがほとんどですから、昼食を早めにとるようにしています。12時台はどこも混みそうですから、12時前に戻ってこられるように出かけます。すると、どこの店も開店直後のため、少なくとも密集ではない状態で食事ができます。

ある店は、椅子の数を減らしました。まばらに配置して、客同士が比較なりすぎないようにしています。私のように1人で食べに行く者にとっては何ら影響ありませんが、2人連れなどというと微妙な距離感がぎこちなく感じられるのではないでしょうか。だから、会話も弾まず、密接にもならず、感染を防げるという計算もあるのかな。おしゃべりできないから店に長居せず、客の回転が速く、時間当たりの客数の減少を少しでも食い止める効果もあるのかもしれません。

お金のやり取りを直接手渡しでするのではなくトレイを介して行うのは、どこでもやっています。これなんかは、この騒動が終わってもずっと続き、標準化しそうな気がします。事務的過ぎて店員と客との触れ合いがなく、潤いのないやり取りにも感じますが、無人のコンビニが開発される時代ですから、数百円の買い物に触れ合いがなくても気にするほどのことではありません。

「小売店はサービス低下宣言を」という記事が日経に載っていました。「ポイントカードをお持ちですか」なんていうのは、確かに鬱陶しいですね。書店で「カバーをしてもよろしいでしょうか」と聞かれるのも、私にとっては時間の無駄です。カバーは紙の無駄でもあります。

そういう過剰なサービスをそぎ落とした形が、この騒動が収束した後の常識にしていくべきだというのが主張でしたが、椅子減らしもトレイも、その仲間に加えていいんじゃないかなと思いました。

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青い病原体

4月23日(木)

新型肺炎予防には3密を回避することが必須とされています。個々人がばらばらに存在することが求められます。SNSでつながっているとは言いますが、基本的には孤独な戦いを強いられています。東日本大震災の時には「絆」がキーワードになり、精神的にも物理的にも一致団結して難局を乗り切りました。それと比べると、力を合わせてという気持ちになりにくく、これがゆえに安倍さんが叫び続けている8割削減に届かないのかもしれません。

それから、みんな他人に対して疑心暗鬼になっています。自分のそばにいる人が無症状感染者かもしれないという前提で接し続けています。親しき中にもマスクありで、顔の過半を覆い隠し、しかも1.5mとも2mとも言われるソーシャルディスタンス(最近はフィジカルディスタンスと言い換える向きがありますが…)をあけてコミュニケーションを取らなければなりません。信頼とか親密とかよりも、疑念とか距離とかが優先されます。

病原体がはっきり見えないのがいけませんね。見えないから、まず疑ってかかれとなってしまうのです。青かびみたいな、誰にでもすぐわかる色がついていたら、お互い信じ合える生活ができたんじゃないかと思います。電車の中の空気が青いから乗るのをやめようとか、ドアのノブが青いから除菌しておこうとか、あなたも私も青い息をしていないからもう少し近づいて話しましょうとか、そういうことができるでしょう。まあ、青い病原体だったらすぐに駆除されて、こんな大騒ぎにはならなかったでしょうけどね。

そんな夢物語を書き連ねても、緊急事態宣言は解除されません。孤独に地道にひっそりと、嵐の過ぎ去るのを待つほかありません。

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さび落とし

4月22日(水)

外出を減らす、通勤者を減らすという意味もあり、非常勤の先生方にいらしていただくわけにいかず、今学期は私が数学の受験講座を担当することになりました。新校舎になってから初めてのような気がするんですが、記憶がはっきりしません。要するに、それぐらい昔のことです。

引き受けたものの、数学の頭を作るのに苦労しました。コンピューターの中のプリントに見覚えはありますが、神経回路は断絶し、脳はさび付き、勘が働きません。手を付けていないEJUの問題に取り組みましたが、やっぱりすらすらとは解けません。1回分の終わりのほうになって、やっといくらか調子が出てきました。

JASSOはまだ、6月のEJUは予定通り実施という方針を変更していませんから、こちらもそのつもりで学生たちを鍛えていかなければなりません。そのためには、私自身の頭を鍛え直す必要があるわけです。理科をやってても、数学の問題を解くのとは別の頭を使いますから、数学の力を維持することにはあまりつながりません。

EJUの数学は結構計算力を要求されますから、学生たちにはそういう訓練もさせたいです。とかくKCPの学生は、問題の答えを見てわかった気になりがちです。それでは本番で点数が取れません。過去のデータが、それを如実に語っています。最後の詰めをおろそかにしがちなのです。

学生たちのほうも、しばらくブランクがありましたから、課題の出来具合なんかを見ると、数学的な脳になっていないようです。来週までに体制を立て直し、あと2か月でどうにかしていきます。

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薄い新聞

4月21日(火)

最近、新聞がめっきり薄くなりました。スポーツ面はほぼ全滅で、無理やり紙面を作っているような気すらします。他の紙面も人を外に誘うようなことは書けませんから、その分記事が減ります。インタビューだってあまり歓迎されないでしょうから、それも減ります。広告も、だいぶ減ってるんじゃないかな。そうそう、折り込みのチラシがほとんどありませんね。スーパーは営業していますが、チラシで客寄せすることはできません。

航空便や新幹線が一部運休というのはすでに始まっていますが、JR九州は5月2日から6日まで全特急列車を運休するという思い切った策に出ました。県境をまたいでの移動を防ぐためで、発売されている特急券は手数料なしで払い戻します。本来なら稼ぎ時のはずなのに、それを全てあきらめるのです。客寄せをしないどころか、すべて断ってしまいました。勇断と言っていいでしょう。でも、九州は高速道路が発達していますから、高速道路を全面通行禁止にしないと、せっかくのJR九州の決断も意味を失ってしまいます。

感染が進んでいる他の国々では、これに近いことをやっています。全国民が痛みを分かち合って立ち向かわないと、この災厄には打ち勝てません。安倍さんの掛け声もむなしく、思ったほど人出は減っていません。JR九州ほどの劇薬が、全国に必要です。

オンライン授業も2か月になろうとしています。学生に学校へ来てはいけないと叫び始めてからも2か月。インフルエンザの学生にそう注意したことはありますが、全学生に向かってアナウンスし続けるのは初めてです。学生のいない学校という異常事態は、いつ解消されるのでしょうか。

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大混雑

4月20日(月)

うちの前のショッピングモールには、ユニクロやABCマートやRight-onやドコモショップなどがありますが、みんな臨時休業しています。マッサージ屋さんもあったのですが、いつの間にか消えていました。やっているのは、キリン堂とスーパーマーケットとダイソーと食べ物屋さんとクリーニング屋さんです。

昨日、スーパーに買い物に行ったら、あまりの客の多さにびっくりして、入る気を失いました。確かに、駐車場は万社で、本来ならユニクロなどに分散していた客がスーパーに集中したとしたら、かなりの混雑になって当然です。緊急事態宣言から休業していた本屋さんが土曜日から再開し、そこも混んでいました。昨日は陽気がよかったせいもあると思いますが、宣言に罰則がないのをいいことに、油断が感じられました。

私は、緊急事態宣言以来、定期券の範囲外に出たのは、8日の健康診断だけです。今月は、このまま交通費ゼロの日が続くものと思われます。車も持っていませんから、何から何まで、すべて学校の近くかうちの近くで済ませています。先週末も出かける予定が入っていたのですが、この騒動で全面キャンセルになり、結局は仕事とうちの中の片づけをして過ごしました。

アルコールを含んだ除菌シートであちこち拭いていたら、除菌というよりも油汚れが取れてシートが真っ黒になりました。素手でよく触る取ってとかスイッチとかを除菌するつもりでしたが、去年の年末にサボった大掃除をしているような感じでした。それだけ汚いものを触り続けてきたのだと思うと、よく何でもなかったものだと妙に感心してしまいました。

明日、シャープ製のマスクがネットで売り出されるそうです。これを機に反転攻勢が始まるといいのですが…。

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陰の苦労

4月17日(金)

来週から受験講座をオンラインで始めますから、その準備をしました。先学期末に、学生に何を受講するかコンピューター経由で登録してもらい、そのデータをもとに受講生のクラスを作りました。すべてコンピューターの中の操作なので、データを右から左へ移すだけで済むかと思ったら、大間違いでした。

学籍番号を間違えて入力した学生が数名いました。コンピューター内では学籍番号で学生を管理していますから、これを間違えられると致命的です。別人が受講することになったり、その学籍番号の学生が在籍していなかったら受講生が宙に浮いてしまったりします。また、受講科目が違うんじゃないかという学生も何名かいました。美術大学への進学希望のはずなのに、物理と化学を選んでいる学生もいました。

受講登録は学生の手入力ですから、そこに間違いが発生する余地が生じます。それはしかたがないことではありますが、学籍番号を間違えるというのはどうなのでしょう。いや、そもそも、KCPの学生は、学籍番号をあんまり覚えていない傾向があります。「学籍番号は?」と聞くと、かばんの中から財布を探し出し、そこから学生証を引っ張り出し、それを見ながら答えるというパターンが少なくありません。たかだか数個の数字とアルファベットです。学生の若い頭脳をもってすれば一瞬のうちに記憶できるはずです。

学籍番号は、アバターといったら言い過ぎかもしれませんが、在学中は何より大事なコード番号です。それにもかかわらずきちんと覚えないというのは、私に言わせれば、怠慢そのものです。その怠慢によって、年寄りの私が老眼を駆使して間違いを見つけ出し、修正するという、本来する必要のない作業に追われたのです。

来週になったら、学籍番号を間違えた学生も、陰にそんな苦労があったことなど全く気付かずに、家で受験講座を受けるんでしょうね。

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4月16日(木)

茨城県のパチンコ屋がにぎわっているそうです。東京近郊のパチンコ屋が緊急事態宣言で軒並み休業しているため、茨城県まで遠征するのだそうです。茨城のパチンコ屋は駐車場完備ですから、車で乗り付けると言います。ギャンブラーの執念はすさまじいものです。

授業で、わがままという言葉から、自己中心的、利己的、自分勝手などという類義語が学生から挙がってきました。対義語は、まず、利他的を思い浮かべますが、「思いやりがある」とか「優しい」とか「協力的」となると、意味がぼやけてしまいます。それだけ、日本人にはわがままな人が多いのでしょう。

パチンコ屋を求めて茨城遠征をしている人々は、ジコチューそのものです。パチンコをしに行くなんて、不要不急の外出の最たるものではありませんか。車で往復100キロかそれ以上走るとなると、二酸化炭素もたっぷり排出します。そうまでしてパチンコ台にかじりつかないと、体が震えてでもくるのでしょうか。それはまさしく依存症であり、肺炎にならずとも、そちらの治療で入院するべきです。

でも、緊急事態宣言は近日中に全国に拡大されます。そうなったら、茨城県もどこも、パチンコ屋は休業するに違いありません。依存症のみなさんは、果たしてどうするのでしょう。たばこの値上げや喫煙所の廃止を機にタバコをやめた人は少なくありません。この臨時休業をきっかけとして、パチンコと縁を切るというのはいかがでしょう。長い目で見れば、どうせ負けるのですから。

でも、これは対岸の火事ではありません。自粛疲れから“自分1人ぐらい”というわがままが湧き上がり、無礼講状態になってしまったら、日本沈没です。出たがりません、ウイルスに勝つまでは…。

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こんにちは???

4月15日(水)

道で知り合いに会うと、軽く会釈し、笑顔を見せるものです。挨拶の言葉を交わすこともあるでしょう。私は、立ち話はめったにしませんが、「こんにちは」とか「ご無沙汰してます」とか、出会った人に合わせて声をかけることはあります。

お昼から戻ってくるときに、オンライン授業が始まる直前まで校内のお掃除に来てくださっていたHさんが向こうから歩いてきました。「こんにちは」といいながら頭を下げ、にっこり笑ったつもりなのですが、Hさんはどこか怪訝そうな表情でした。そうです。マスクをしていたのをすっかり忘れていました。口元に笑みを浮かべても、まったく無意味なのです。目だけ笑っていて、不気味だったのかもしれません。

確かに、どこかで鼻から下が隠れていて目だけ細めてこっちを見ている人に出くわしたら、ちょっと警戒しちゃうかもしれません。マスクに隠れている部分を補い、知人だとわかって初めて、安心して微笑み返すことでしょう、マスクの下で。

昨日までは養成の講義や受験講座でしたが、私にも今学期の日本語の授業が回ってきました。オンライン授業のいいところは、学生がみんなマスクを外して顔を見せてくれることです。画面に出てくる各学生の映像は小さなものですが、教室で顔の3分の2ぐらいが隠れている学生を見るより安心感があります。ことに、今学期は知っている学生が大部分卒業していったため、クラスの大部分が知らない学生です。その時、マスクのない顔というのは、多少なりとも個性が現れて、私にとってはやりやすいです。

今学期中に、この学生たちと生身で顔を合わせる日が来るのでしょうか。都内で127人の新規感染者と報じられています。

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