楽しいですか

12月2日(金)

金曜日に受け持っている上級クラスは、中間テストの各科目の点数が惜しいところで不合格というように、勉強面ではやや物足りないところがあります。合格点ぐらいは軽く取れるだろうと思っていた学生が、ふたを開けてみると、あと1問正解だったら合格点だったのになんていう成績になってしまったケースが多かったです。詰めが甘いのかもしれません。

だから(と言えるほどの因果関係があるかどうかわかりませんが)、授業で普通に文法や読解などをやっていると、学生たちはおとなしくなってしまいます。ところが、脱線するととたんに元気になります。先日も、読解のテキストに出てきた「お受験」と「受験」の違いに触れると、それまで静かだった教室が、とたんににぎやかになりました。文法の例文でも、本筋でないところで盛り上がることがしばしばです。

そういう学生たちがさらに元気になるのが会話練習の時間です。今学期はいろいろなテーマについて1分程度でスピーチをすることが中心課題です。流暢に話す学生もいれば、ぎこちない語り口の学生もいます。でも、このクラスの学生たちが偉いのは、クラスメートのスピーチを真剣に聴いているところです。教師が聞くと、文法やら語彙やら発音やら、何かといちゃもんを付けたくなる話し方なのですが、学生たちは、友だちの気持ちや考えやしたことや、少しでも深く友だちを知ろうとする姿勢が見て取れます。読解や文法の時のような、生きてるのか死んでるのかわからないような顔色とは全然違います。

こういう聴衆を前にすると、話し手も興が乗るのでしょう。みんな指名されると喜々としてスピーチを始めます。学生たちが「自分の話が通じた」という実感を持つに至れば、この授業は成功だと言えます。たとえ、期末も読解や文法や漢字などが不合格でも、学生たちは何かを得たんじゃないでしょうか。

ちょっと楽天的過ぎる見方かな…。

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