お金持ち

1月5日(木)

年明け早々から、学生がひっきりなしに訪れてきます。面接練習とか、出願書類のチェックとか、これから受験や出願の大学などにかける学生たちが、まだまだたくさんいます。さすがにここまで来ると出願の段階で教師に怒鳴られるような間抜けはいないと思いきや、Hさんなどは経費支弁の書類が全然整っていなくて、やり直しを命じられていました。

そんな中で悠然と構えているのがGさんです。Gさんは現時点で3勝3敗、つまり行き先は確保してありますが、これから私立の本命校と国立大学を狙います。予定通りに出願・受験するとなると、全部で14校になるとか。ここまで来ると、受験が趣味なのではないかと疑いたくなります。

でも、Gさんは決して闇雲に受けているのではありません。勉強したいことが勉強できる学部学科に焦点を定め、理想とする学校から滑り止めまで、それぞれ狙い撃ちしています。それにしても14校です。受験料だけでも数十万にも及び、既に支払った入学金や遠隔地受験の交通費などまで計算に入れると、100万円にも達するのではないでしょうか。私はGさんの経済状況についてとやかく言う立場にありませんが、こういう受験を許してくださるGさんの実家は、かなり裕福なんだろうなと想像しています。

本当に、学生というかその実家というか、あるいはその出身国が豊かになったと思います。KCPのほかに塾にも通う学生のほうが普通になりましたし、アルバイトをしなくても生活できる学生がほとんどで、Gさんほどではないにせよ、併願校の数も増えました。投資の配当で生活費を出している学生もいます。かつては「学生=貧乏」と自他共に認める方程式が成り立っていましたが、今は教師よりもいい生活をしている学生も多いんじゃないでしょうか。

学生の学習環境もよくなったはずですが、学生が平均的に優秀になったかというと、そうでもない感じがします。塾に通っている学生がすばらしい成績を収め、“いい学校”に進学しているかというと、そうでもありません。厳しく接しても優しく接しても、勉強に向かおうとする姿勢を見せようとしない学生が増えました。Gさんなんか、お金を有効に使っているほうだと思います。

新学期も、そういう学生がたくさん入ってくるのでしょう。心して指導に当たらねばなりません。

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