ある帰国

4月5日(金)

新学期の準備をしていると、卒業生のWさんが帰国のあいさつに来ました。専門学校を卒業し、国の会社に就職するのだそうです。その会社とは、日本人なら誰でも知っているM社の海外支社で、職員室にいた先生方全員、すごーいと思わず感嘆の声を上げてしまいました。その声を聞いたWさん、ちょっぴり誇らしげでした。

就職後は、専門学校で勉強した知識や技術を生かして、新商品の開発に取り組むようです。日本の本社にも出張があり、その時にはまたKCPに顔を出すと言ってくれました。Wさんの凱旋を心待ちにしていましょう。M社は人口減で先細り感のある日本市場よりも、海外での事業展開に注力しています。そういう意味で、WさんはM社のエリートコースに第一歩を踏み出したのかもしれません。

KCPの学生たちは、多くが日本で大学や大学院に進学しようと考えています。その先はどうなのかというと、特に大学進学を目指している学生は、まだ若いということもあり、漠然としています。最終的には日本で就職したいとか日本の会社で働きたいとか言っていますが、どこまで強くそう念じているかは疑問です。

日本の会社に入ることが最終目標なら、日本の大学や大学院に入ることはその手段にすぎません。Wさんのような道もあるのです。むしろ、そちらの方が確率が高いかもしれません。KCPとしては、1人でも多くの学生が“いい大学”に入ることが、学校としての実績につながりますから、ありがたいです。でも、学生の人生というスパンで考えた場合、それでいいのかどうかわかりません。

そんなことより、私はWさんの日本語に感心しました。社交辞令ですけどもなどと言いつつ、心配りのある言葉が次々と出てきました。できる学生でしたが、さらに磨きがかかった感じがしました。専門学校の2年間、中身の濃い勉強をしたことが容易にうかがわれました。

明日は、新たな夢を抱いた学生たちが入ってきます。

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