出口

5月26日(火)

春分からひと月半ほど経ったあの日、午前5時前は、まだ朝と呼ぶにはためらいのある暗さでした。私が出勤するとき、普通の満月よりひときわ大きいスーパームーンが、ほぼ真西の空にかかっていました。いつもよりいく分赤っぽいその色に、まがまがしささえ感じました。5月6日までと言われましたが、その日までに事態が収拾するような気がしませんでした。これから、東京は、日本は、世界はいったいどうなるのだろう。そんな不安を打ち消すために、電車に中では一心不乱に活字に埋没しました。

それから49日、やはり、当初の計画よりは若干伸びたものの、月末を待たずして、緊急事態宣言が解除されました。今朝の空が厚い雲に覆われていたせいでしょうか、それほどの解放感に浸ることなく、淡々と出勤し、昨日までと変わることなくオンライン授業を行い、来月から再開する対面授業の準備を進めました。帰りの電車がどれくらい混んでいるかですね。

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、多くの専門家が指摘するように、第2波の恐れが消え去ったわけではありません。また、KCPの命綱でもある海外との交流も、すぐに復活するとも思えません。これからどのように新しい社会を作っていくかが、令和の日本の大きな分岐点です。

3.11においても、それに勝るともいわれていれる今回の国難に際しても、我が国は一流とは言いがたいリーダーの下で復活の道を探らざるを得ませんでした。そういうリーダーしかいないのが、そういうリーダーしか選べなかったのが、日本の国力の衰えを象徴しているような気がしてなりません。

安倍さんは、小泉首相の官房長官だった時、北朝鮮から拉致被害者を取り戻しました。やるなあと思いました。しかし、首相という器ではなかったと思います。安倍さんは民主党政権をさんざん批判しましたが、今回、自分自身もそれと五十歩百歩だということが露呈してしまいました。モリ・カケで辞めさせることができなかったのかなあと思います。

さて、大学のオープンキャンパスは7月ぐらいまでは軒並み中止です。このままでは、学生の進路選びにまで影響が及びかねません。緊急事態宣言解除を受けて、せめて夏休み期間中ぐらいは、予約制でもいいですから、開いてほしいものです。

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