公私混同はいけません

8月15日(土)

W大学を受験するDさんから頼まれた過去問の答案の添削と、受験講座理科の上級の学生に出した筆記問題の答えのチェックをしました。どちらも、昨日うちへ仕事を持ち帰っていれば、わざわざ学校まで出てくることもありませんでした。しかし、うちで仕事をするというのはどうも好きになれないので、いつものように職員室の机に向かっています。

前に勤めていた会社で、職場も社宅・独身寮も厚生施設の体育館などもすべて同じ敷地にあるという勤務地がありました。寝床から事務所まで、KCPからせいぜい区民センターぐらいまでの距離だったでしょうか。まさに職住接近で、通勤に要する時間はほんの数分でした。

でも、その代わり、公が私に、時間的にも空間的にも、情け容赦なくめり込んできました。逃げ場がなく、常に仕事とともに暮らしているような感じでした。この息苦しさはたまりませんでした。もう二度と味わいたくないですね。だから、私は仕事をうちへ持ち帰るのに抵抗があるのです。まあ、時間をだらだらと使い、きちんと区切りが付けられないだけなのでしょうけど。

そういう意味で、私は毎日学校に通うことをさほど苦に感じていません。往復の通勤電車で本を読む時間が、精神の健康を守る格好の防波堤になっています。もちろん、日本語や教育問題のような、学校にかかわる本を読むこともあります。でもそれは趣味の延長線上で、仕事に生かすつもりで読んでいるわけではありません。こんな私は、どうやら、個人商店の店主には向いていないようです。

今、在宅勤務が広まりつつありますが、聞くところによると、私が襲われたような、一般とは逆の意味の公私混同がそこかしこで起きているようです。この問題が解決して初めて、働き方改革と言えるのではないでしょうか。

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