6月12日(木)
数日前に、先月行われたEJUの模擬試験の結果が届きました。それによると、初級のAさんが校内でトップを争う成績を挙げていました。こんな知られざる大天才がいたんだと驚いた私たちは、Aさんから事情を聞きました。どんな勉強をすれば初級でこんなに素晴らしい点が取れるかなど、他の学生にも照会できそうな情報が得られるのではないかという期待も込めていました。
ところが、意外な結末になりました。何と、Aさんは模擬試験を受けていないというではありませんか。じゃあ、この素晴らしい成績は。いったい誰のものなのでしょう。私たちの力だけでは調べきれませんから、この模擬試験を実施したところにも状況を説明し、どうなっているのか調べてもらいました。
その結果がようやくわかりました。学生たちが答えを記入した解答用紙まで調べたところ、受験番号がAさんの次のBさんが、解答用紙の受験番号欄に、1番違いのAさんの受験番号をマークしていたことがわかりました。間違えた先の受験生(Aさん)がたまたま欠席だったため、Bさんの成績がそのままAさんの成績として登録されてしまったのです。Bさんは上級の学生ですから、トップ争いに加わってもおかしくはありません。
受験生の答案用紙が、受験生の名前ではなく受験番号で管理されていたことから生じた事件でした。それはともかくとして、正しい受験番号を解答用紙のしかるべきところに記入するなどというのは、基本以前の問題です。明日はEJU前最後の授業日ですから、受験にあたっての注意をするつもりです。受験番号を間違えるなどというのから手取り足取りやっていくとなると、どれだけ注意事項を並べればいいのでしょう。
一番不思議なのは、Bさんが今まで何も訴えてきていないことです。同じクラスの学生に、自分も受けた模試の結果が渡っているのを見て、何も思わなかったのでしょうか。こちらのほうが、より根が深いかもしれません。
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