苦い思い出

3月18日(木)

昨日から「スマホ脳」(新潮新書)を読んでいます。残すところ10ページちょっとですから、この後帰宅時の電車の中で確実に読み終わります。

あんまり詳しく書くとネタバレになってしまいますが、スマホでSNSをやると、その反応が気になり、また、より良い反応を求めるようになり、スマホが手放せなくなること、それゆえ集中力がなくなることというのが中心的な話題です。

これを読んでいて思い出したのが、何年か前の卒業生のXさんです。理科系のセンスがある優秀な学生でした。事実、国立大学に進学しました。

ただ、Xさんが挑んだ大学は、筆記試験がない大学ばかりでした。EJUとTOEFLと面接と出願時に提出する志望理由書などで合否判定がなされる大学を選んでいました。数学や理科の筆記試験がある大学は、志望校にはしていましたが、結局受験しませんでした。

つまり、マークシートなど選択式の試験には自信を持っていましたが、答案を書く試験では点が取れなかったのです。受験講座でも、EJUの過去問では力を発揮しましたが、「この時の物体の速さを求めよ」とか「なぜこのような反応が起こるか説明せよ」などという問題となると、計算メモや反応式を答案用紙の隅にくちゃくちゃと書くだけでした。答案が書けさえすれば最難関校も夢ではない頭脳を持っていましたが、どうにもなりませんでした。

そのXさん、授業中も常にスマホを握っていました。本人もスマホ依存症と言っていました。答案が書けないのは、明らかにスマホの影響だと思いました。そう注意しましたが、スマホを我慢するくらいなら第一志望校に行けなくても構わないと、聞く耳を持ちませんでした。

この本を読んだことで、Xさんの精神構造が見えてきたような気がします。今、KCPにいる学生たちはどうなのでしょう。対処する方法があるのでしょうか。

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