「て」「、」

9月8日(水)

昨日は文法のテストがありました。それを採点すると、学生たちがいかにテスト問題を読んでいないかが如実にわかります。授業中の私たち教師の注意を、聞いていないないしは忘れてしまっていると言ってもいいでしょう。

助詞など機能語の使い方を問うので「ひらがな」で答えるようにと明記してあるのに、わざわざ漢字を書いてXになるなどというのが好例(?)でしょうか。しかも見当違いの言葉だったりすると、3点の問題だけど7点ぐらい引いてやりたくなります。「勉強した文法を使って」という指示を無視して、初級の文法で安易に答えているようなやつは、ZOOMの待機室から呼んでやらないぞ。初級クラスのURLを送りつけてやりましょうか。

“初級の文法で安易に”というのは、作文でも見られます。その最たるものが、て形で文をつなぐことです。「ワクチン接種をして、感染が防げる」でも言いたいことはわかりますが、「ワクチン接種をすれば、感染が防げる」の方が、ずっとこなれた日本語です。中級ともなれば、て形そのものを間違えることは少なくなりますが、だからと言って何でもかんでもて形で表現しようとしてはいけません。

て形で文をつなぐなら、まだましです。その下には「、」で文をつないだ気になっている豪の者が多数います。「大学を卒業した、日本で就職したい」など、「、」の代わりに「ら」を入れたら文法的には全く問題がないのに。

ところが、最近読んだ磯﨑健一郎の「新元号二年、四月」は、読点だけで延々と文がつながっていました。もちろん、芸術的な意図に基づいているのですが、学生の作文を思い出させられて、ストーリーに集中できませんでした。これも職業病ですね。

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