流れる授業

3月22日(火)

最近、新しい先生の授業見学をしています。どの先生もきちんと教案を立てて授業に臨んでいることは、教案もろくに立てずに授業をしている私から見ると、立派なことだと思います。

でも、教案の通りに進めようとするあまり、教案にとらわれてしまってはいけません。教案は台本やマニュアルではありませんから、絶対その通りに進めなければならないというものではありません。私が教案を立てないのは、その場の雰囲気に重きを置きたいからです。教室内の空気の流れに合わせて、自然に授業を進めたいのです。遅刻してきた学生や、昨日までとは違う様子の学生や、ちょっとした学生のことばを授業に取り入れて、作られた場面ではなく、実地で文法やことばの使い方が体験できる授業が理想形なのです。

たとえ初級でも、そういう授業の作り方は可能だと信じて、授業の時は学生の一挙一動に注目しています。もちろん、その日の授業で何を教えなければならないかはきっちり押さえています。その上で、そこまで持っていくのに、いかに学生をいじるかを考えるのです。こんなことをした学生がいたら、こんなことを言った学生がいたら、それを捕まえてこんなふうに授業につなげようということは、さんざん考えます。

1日の授業がよどみなく流れるように進んで、気が付いたら漢字も文法も読解もたくさん勉強していたっていうのが、私の目指す究極の授業です。「これで漢字は終わりです。次は文法です」っていうんじゃなくて、その日の漢字の最後が文法の導入につながっていて、そこに教室の学生の雰囲気が反映されているという授業です。

明日は今学期最後の授業です。引継ぎによると、あれこれやることが山ほどあるようで、流れるような授業にはならないかもしれませんが、学生にとっても私にとっても気持ちのいい授業をしたいです。

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