相談しないほうがいい?

12月26日(水)

学生が教師に進学相談の依頼をするという想定で、「先生、進学について相談しませんか」という言葉を直すという問題を期末テストに出しました。超級レベルの学生たちが、「~相談していただけませんか」などという誤答を書いてくれました。

もちろん、テストにいきなり出したわけではありません。授業で取り上げています。それどころか、中級以降何回もいろいろな教師が手を替え品を替え同じことを注意しています。しかし、学生たちは同じ過ちを飽きもせず繰り返します。実際に学生が教師に相談を依頼するときも、「相談していただけませんか」「えっ?」「あ、相談してくださいませんか」「えっ?」「うーん、相談、いいですか」などというやり取りの末、退歩してしまうのです。

「Aしていただけませんか」は、相手がAすることによって、自分に利益があるときに使います。ですから、「詳しく説明していただけませんか」とか「作文を直していただけませんか」は正しいです。しかし、「相談する」は自分がすることによって自分に利益があるので、このパターンは使えません。

ではどうすればいいかというと、1つは「相談に乗る」を使うことです。これなら「Aしていただけませんか」のパターンに当てはまります。「進学のご相談をしたいんですが、お時間いただけますか」なんて答えてくれたら、5点の問題でも10点あげたいくらいです。せめて、「ご相談したいんですが…」ぐらいは書いてほしいですね。「相談させていただけませんか」は、私はあまり言われたくありませんが、「相談していただけませんか」ではいけないということに気付いただけでもよしとしなければなりませんから、〇にしました。

同じ間違いが頻発するのが「借りていただけませんか」、いや、これは初級の単語なので、「借りてください」です。これだとバブルの頃の銀行みたいですね。「貸してください」がスムーズに出てくると、「コイツ、なかなかやるな」と思います。これだって、超級の学生も油断していると間違えますからね。

「相談していただけませんか」のおかげで、私のクラスは赤点続出でした。来学期は、1問50点ぐらいの問題として卒業認定試験に出して、これができなかったら卒業証書がもらえないようにしようかな…。

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