Category Archives: 試験

こちらの課題

3月23日(火)

レベル1の会話の期末タスクを担当しました。習った文法と語彙を駆使して、こちらから与えたキーワードをもとに自分たちで考えた場面で、会話を構成していくのです。会話を作り上げるだけなら、グループのメンバーに構成力のある学生がいれば何とかなります。しかし、それをみんなの前で披露するとなると、実際に話す力も要求されます。毎学期、頭でっかちの学生は、このタスクで落ちていきます。

今学期は先週までずっとオンライン授業でしたから、発話の訓練がどれだけできたか心配でした。もちろん、可能な限り口頭練習をしてきました。でも、目の前に教師がいませんから、学生にしてみれば、指名されたとき以外口を開けずに授業を終えることだってできました。そういう環境がどの程度影響を及ぼしているか、おっかなびっくりでタスクに臨みました。

学生たちは大健闘でした。ストーリーもきちんと作れていたし、発音もアクセントもイントネーションも、普通の日本人にも通じるレベルでした。文法も、日本語教師的には指摘したくなる点が多々ありましたが、街の日本人からは「日本語の勉強を始めたばかりなのに、上手ですね」と言ってもらえそうなレベルにはなっていました。採点は日本語教師の目でしましたから、発音は満点の学生が何人かいましたが、文法は満点をつけることはできませんでした。

こうしてみると、オンライン授業でも、発音は思った以上にどうにかなるようです。しかし、発話時の文法の正確性を追求するのは、なかなか難しいようです。これは学生の課題というより、教える側の改善すべき点です。来学期の授業に生かしていきたいです。

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大辛

3月19日(金)

久しぶりに漢字の書き取りテストの採点をしました。オンラインですから、学生が書いた答案用紙そのものを採点するわけにはいきません。学生に答えをノートに書き取らせ、それを写真に撮って送ってもらい、その写真をチェックするという、若干もどかしいやり方をしました。

写真は送られてきたのですが、写真の向きがまちまちで、1名だけですが逆さまなのもあり、採点するのに一苦労しました。う~ん、学生たちはそこまで気を使ってくれないのかな。

点数はそんなに悪くありませんでした。最低でも合格点の60点は超えていましたから。でも、学生自身が思ったよりは悪いのではないかと思います。一画一画がはっきりしない達筆すぎる字は×にしました。画と画のつながりが教科書と違っているのも×にしました。そういったあたりで減点された学生が多かったです。几帳面な楷書の字を書いたアメリカ人の学生が満点でした。中国の学生は、ちょっと悔しいでしょうね。

このクラスは一番下のレベルですから、基本に忠実ということを重視します。また、出願時に提出することが多い志望理由書は、手書きがほとんどです。それには流麗な文字は歓迎されません。下手でもいいですから、楷書で丁寧に書くことが求められます。達筆すぎて減点された学生たちは、半年もすれば志望理由書を書くことになるでしょう。だから、今から訓練なのです。

写真で答案を送ってもらうこの方式、1つだけいいことがありました。それは、学生が書いた文字を自由に拡大できることです。生の答案だと、老眼の私には読めない字もあります。そういう字も、パソコンの画面上なら拡大し放題です。だから、調子に乗って、ガンガン×を付けてしまったところもありますが…。学生のみなさん、辛い採点になってしまい、申し訳ありませんでした。

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待てない

3月12日(金)

だいぶ時間がかかってしまいましたが、昨年11月のEJU・理科の模範解答をどうにか作り終えました。単に解くだけならすき間の時間にできますが、受験講座で使うつもりで解説まで書くとなると、ある程度まとまった時間が欲しいところです。学生が見るだけではありません。何か月か後で私自身がそれを読んで授業をするのですから、そこまで考えて模範解答を作っておく必要があるのです。

物理と化学と生物で50問余りを解きましたが、1問だけ問題集についている正解が納得できません。問題を読み返しても選択肢を再チェックしても、問題集の正解表の答えが正解だとは思えませんでした。日を改めて解き直してみても、やっぱり正解表の答えにはなりません。私が持っている教科書や参考書をひっくり返しても、結果は同じです。その問題を忘れたころに、もう一度やってみるつもりです。

私は博物館や名所旧跡などで、掲げられている説明や解説をわりとじっくり読みます。すると、明らかな間違いが意外と多いのです。誤字脱字もありますが、人名地名などの固有名詞が間違っていたり、年号が変だったり、前後の解説板で内容が矛盾していたり、などというのによく出くわします。そういう時は、もう二度と来ることがないかもしれないからと、係の方に伝えます。時には私の勘違い記憶違いだったりすることもありますが、ほとんどは「ご指摘ありがとうございました」となります。

今回もそのたぐいかなと思います。でも、だいぶ前に、最初は正解表が間違っていると思ったのですが、しばらく経ってから解き直してみると、巧妙なひっかけ問題だったということがありました。だから、もう少し待ちます。

私は待てるからいいですが、実際に受験した学生たちは待てません。偉いなあと思います。

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徹夜で

3月10日(水)

卒業生のKさんが大物ぶりを遺憾なく発揮しています。昨日は、大阪での試験前日だというのに、日中は面接練習に学校へ来ていました。その面接練習も仕上げではなく、ボコボコに直されるレベルでした。そして、すぐに新幹線で大阪まで行っておけときつく命じ、本人も「はい」と応じていたのに、夜7時に担任のO先生が電話をかけた時にまだ家でご飯を食べていました。

その後、O先生が電話をかけてもメールを送っても反応がなく、今朝になっても今どこで何をしているのか、全くつかめない状態でした。ようやく昼過ぎに連絡が付きました。なんと、今朝の新幹線で大阪へ行ったとか。O先生は朝まで寝ないでいたのだろうと推察しています。朝一番ののぞみは博多行きですから、よくぞ新大阪で目を覚まし、降りたものです。

試験は無事終わったようですが、Kさんは大阪で遊んで帰ると言っています。試験前日泊ではなく、試験後に泊まるというのですから、なかなかの心臓です。しかも、数日前に受けた入試の結果が自宅に届いているはずなのに、それを気にも留めずに遊ぼうとしているのです。行き先がまだ決まっていない者の行いとは思えません。

周りの教師が焦っているわりには、当の本人は至って淡白という例が、今シーズンはいつになく多かったように感じます。他人ごとであるかのように構えている学生が目立ちました。客観視とか冷静とかいうのとは違って、情熱が伝わってこないのです。泥臭くあがき続けた学生が曲がりなりにも受かっているのに対して、このタイプの学生は最後に来て大いに苦しんでいます。

明日は進学授業があります。これを強く訴えようと思います。

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ボーダーラインなし

2月27日(土)

昨日の卒業認定試験を採点しました。私のクラスは両極端でした。できる学生とできない学生の差が激しく、余裕で合格か箸にも棒にもかからないかのどちらかでした。ボーダーライン上の学生にどこまで温情をかければいいだろうかと思っていましたが、悩むまでもなく判定できました。

やっぱり、授業中の態度が反映されていますね。オンラインなのをいいことに、接続だけして何をしているかわからないような学生は軒並み不合格でした。顔を出さず、指名しても反応しないのですから、授業を受けているとは見なせません。そういう学生が不合格になったのですから、真っ当なテストだったと言うことはできます。

1月期は、進路が決まった学生の気持ちをいかにして学校に引き付けるかが、毎年問題になります。学生も登校すればなんだかんだと言いながらも授業に参加せざるを得ず、だからなにがしか得るものもあります。しかし、オンラインの場合、いわばタガが外れた状態になり、学校から気持ちが離れた学生は際限なく落ちていきます。わずかな時間で縁が切れると踏んでいる学生には、北風も太陽も意味を成しません。

そういう学生の心もつかむコンテンツが提供できなかったという点においては、我々教師が非力だったこともあります。研究の余地も大いにあります。だけど、授業に参加しない学生ほど、私たちから見れば、日本語力に不安があるんですよね。昨日の試験に例文を作る問題がありましたが、それがほとんど白紙で大学や大学院の授業についていけるんですかと問いたいです。謙虚になってもらいたいです。

卒業認定試験も終わってしまったとなると、謙虚じゃない学生の目には、学校は消化試合にもならない授業をしていると映ることでしょう。それなら、こちらにも意地がありますから、一ひねりしてやりましょうか。

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今年初

2月26日(金)

今学期初めて、大勢の学生が登校しました。卒業認定試験を学校で行ったのです。卒業認定試験はKCPとしては一番重みのある試験ですから、“何でも持ち込み可”になりかねないオンラインのテストではなく、学生たちにご足労願ったのです。やはり、きちんとした試験でそれぞれの学生を卒業に値するかどうか判断するのが、学生に対する礼儀でもあると思います。入管提出用の書類を書いてもらうという面もありましたがね。

私は別件があったので試験監督に入りませんでしたから、教室のにぎわいを直接感じることはできませんでした。しかし、午後のクラスの教室に向かうとき、試験を終えた学生たちとすれ違いました。「先生、こんにちは」という声を久しぶりに耳にしました。マスクで顔の半分が覆われていますから誰が誰やらわかりませんでしたが、校舎にあふれる活気のかけらを味わえました。

実は、昨日の夜、T先生やA先生が1階のエレベーターの向かい側にひな人形を飾ってくださいました。ひな祭り当日の3月3日はオンライン授業で学生は登校しませんから、卒業生がみんな登校する卒業認定試験の日に合わせて桃の節句と春の訪れを感じてもらおうという趣向です。朝は試験前ですから目を向ける余裕もなかったようですが、試験終了後はスマホを向ける学生もいました。

次にこの学生たちが学校へ来るのは、卒業式の日です。密にならないように、いつもの年とは違う形で式を行いますが、精一杯心を込めて、卒業生を送り出す準備をしていきます。

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値上げ

2月18日(木)

世の中では、おとといから6月のEJUの出願受付が始まっています。KCPでは来週団体出願をします。それに先立って、進学コースの学生向けに、EJUの概略を説明しました。今回は、昨年秋以降に入学した学生たちが主力ですから、EJUの受験経験者が今までになく少ないです。ですから、EJUのいろはから解説していきました。

6月のEJUが初EJUという学生が大半ですが、6月のEJUを練習だと思ってもらっては困ります。6月の成績で勝負が決まる大学がたくさんあります。その中には学生たちがあこがれている大学も多数含まれています。そういう大学に不戦敗とならないようにするには、いきなり本番だと思って何が何でも高得点を挙げる必要があります。

その他、KCPの学生の得点状況から、傾向と対策を少々述べました。先輩たちの苦労した点を伝え、今から対策を講じていけば、先輩たちの実績を上回れるかもしれません。6月20日が試験ですから、4か月ほどの短期決戦です。使えるものは何でも使わなければ。

そのEJUですが、今年から受験料が上がりました。1科目で1万円、2科目以上は1万8千円です。日本人が受ける共通テストが、2科目以下が1万2千円、3科目以上で1万8千円です。これと比べると、EJUは割高ですよね。受験者数が1桁以上違いますから、マス効果がないためにこうなるのでしょうか。

でも、受験者数が少ないわりには結果が出るまで時間がかかります。値上げしたのですから、そのあたりのサービスも向上してもらいたいです。

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落ち着いた

2月17日(水)

Yさんがやっと合格しました。今までに10校ぐらい受けましたが、ことごとく落ちました。2月の半ばが過ぎて、かなり切羽詰まって来た時点で、どうにか行き先が決まったというわけです。

はっきり言って、Yさんは高望みのし過ぎでした。実力的に無理な大学ばかりを受け続け、落ちまくっていたというのが実情です。もちろん、私たちも何も指導しなかったわけではありません。かなりきつい言葉で志望校のレベルを落とせと言ったこともあります。しかし、Yさんは全く耳を貸しませんでした。

指定校推薦に応募しようともしましたが、EJUの点数が足りなくてあきらめざるを得ませんでした。指定校推薦の足切り点は、通常、かなり低めに設定されます。その大学の合格最低点かもっとしたぐらいの感覚です。それにすら到達しなかったのですから、その成績で他大学に受かるはずがありません。

Yさんは不真面目な学生かというと、決してそんなことはありません。ただ、どこかで仕入れた根拠がないけど自分の耳にやさしい情報を信じ、こちらの厳しい言葉はすべてスルーでした。今学期になって、ようやく現状が見えてきて、志望校を3ランクぐらい下げて、合格にたどり着きました。

Yさんにとっては不本意な結果でしょうが、去年から見てきている者としては、落ち着くべきところに落ち着いたなという感じがします。自分の実力って、なかなか見えてこないのでしょうか。

去年からずっと指導されてきたK先生、今晩はきっと枕を高くしてぐっすりお休みになれるでしょう。

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大差

2月8日(月)

上級クラスで文法のテストをしました。オンライン授業ですから、テストもオンラインです。学生の自室で受けるということは、教科書やノートは見放題ということになります。満点続出を防ぐひねくれた問題があるにしても、普通に勉強していれば80点ぐらいは軽く取れるはずです。

ひねくれ問題をものともせずに、満点近い点数をとったWさんやSさんはさすがです。授業で指名しても的を射た答えを返してくれるだけのことはあります。Yさん、Zさんもそのグループでしょう。不明な点はすぐに質問して解決するなど、前向きな態度が好成績につながっています。Cさんは、授業中の反応からは想像できない高得点でした。復習型の学生なのでしょう。

一方、Oさん、Iさん、Lさんはひどいものでした。出席を取る時だけ返事をして、あとは指名しても反応しなければ、ブレークアウトセッションになれば逃げてしまい、授業中何をしているかわかったものではありません。試験問題が教科書のどこから出ているのかすらわからなかったのではないでしょうか。ノートが真っ白けなのは、疑う余地がありません。

ボーダーライン上が、TさんやSさんです。応用問題はからっきしでしたが、教科書の例文に沿った問題で点を稼ぎ、かろうじて合格点を確保しました。教科書の使い方をしている分だけ、Oさんグループより上です。

要するに、勉強する学生はオンラインだろうと対面だろうと力を付けていくのです。オンラインだからと手を抜く学生は、伸びないどころか落ちていきます。最高点と最低点で4倍近い差が付きました。学期が始まって1か月なのにね。

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春一番の日に

2月4日(木)

観測史上最も早い春一番が吹いたそうです。お昼を食べに外に出た時、確かに強い風は吹いていましたが、暖かいとは思いませんでした。御苑の方から吹いていましたから南風でしたが、肌を刺す力は衰えておらず、春には程遠い感じがしました。

午後、教室でオンライン面接練習をしました。午前中使っていない教室でしたから、壁も床も椅子も机もキンキンに冷えていました。すぐにエアコンを入れ、風の強さを最高にし、どうにか練習ができる教室環境を整えました。KCPの教室は、道路に面している方は北向きで、廊下を挟んで反対側は窓を開けたらマンションで、いずれにしても日が差し込みにくいです。だから、使っていない教室は寒いのです。教室は、まだまだ冬真っ盛りです。それに加え、学生がいませんから、校舎全体がうすら寒いです。人間が放散する体熱ってバカにならないものだと、妙なところで感心させられています。

Kさんは。明後日がそのオンライン面接です。昨シーズンは留学生入試の面接をオンラインで行った大学は0に近かったですが、今シーズンは、夏の早稲田大学を皮切りに、オンライン面接が過半数ではないかという気がします。現状に鑑みれば、2・3月の入試はオンラインがほとんどなんじゃないでしょうか。

人にはそれぞれ得手不得手があるものですが、オンライン面接も想像よりずっと上手にこなす学生がいる一方で、カメラを通すと精彩を欠いてしまう学生もいます。Kさんは前者のようで、実にのびのびと受け答えをしていました。マイクのせいで聞き取りにくいことはありましたが、回答の内容は志望校の面接官を満足させられるのではないかと期待できるものでした。

Kさんは、自分の部屋でオンライン面接を受けるそうです。まさにホームゲームです。確実に勝ち点をゲットして、心の春を迎えてもらいたいです。

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