Category Archives: 試験

挑戦は続く

2月17日(火)

先週のこの稿に書いたように、上級の選択授業「漢字検定に挑戦」の中間テストを行いました。予定通りの部首の問題と、漢字熟語の構成の問題を出しました。漢字熟語の構成とは、例えば”新年“は、“新”が“年”を修飾しているとか、“貯金”は“金”が“貯”の目的語になっているとか、“建築”は似たような意味の漢字でできているとか、そういったことを答えてもらう問題です。どちらも選択式にし、漢字が書けなくても点が取れるテストにしました。“仏の金原”の面目躍如です。

とはいえ、勉強してきた学生がいい成績になるように、勉強してこなかった学生は点が取れないように、部首の問題は選択肢を増やしました。これが当たったみたいで、勉強してきたと思しき学生はさっさと記号を書き入れ、30分の試験時間に対し10分ほどで終わってしまいました。勉強してこなかった組は、最初は頭をかきむしっていましたが、そのうちおとなしくなりました。あきらめてしまったのでしょうか。

授業後採点してみると、選択式ですから白紙かそれに近い答案はありませんでした。でも、部首の問題は差が付きましたねえ。満点が数名いた一方で、まぐれ当たりが何問かという学生も同じくらいいました。しかし、漢語の構成はまぐれ当たり組もちゃんと考えて答えた形跡があり、そこそこの成績が取れていました。その結果、不合格はごくわずかで、“この学生が不合格なのは当然だね”という面々でした。

部首が思ったより出来が良かったのは収穫でした。池袋の池はさんずい、飛球市民の地はつちへん…などと記憶を強化していけば、日本人の高校生並みになれると思います。漢字検定に挑戦のみなさん、ぜひ、挑戦してみてください。

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にくづきにほす

2月10日(火)

来週の火曜日は、早くも中間テスト。私が火曜日に担当している上級選択授業「漢検に挑戦」も、中間テストを実施することになっています。漢検の問題をそのまま出したら、みんな討ち死にしかねません。「金原先生のせいでKCPの卒業証書がもらえませんでした」なんて恨まれたくないですから、何か考えなければなりません。学生から恨みを買わず、なおかつその後役に立ちそうなテスト勉強はないかと探しました。

見つけたのが部首です。漢検には部首の問題も出ます。だから先週も練習問題を少ししました。また、進学または就職後に学生たちの周りにいる日本人は、みんな、“うかんむり”とか“さんずい”とか“しんにょう”とか知っているはずです。漢字の説明にだって、「“かくす”は“のぎへん”じゃなくて“こざとへん”だよ」などとやるかもしれません。いまは、スマホに字を示す方が多いでしょうが…。

そういう説明をして、学生に主な部首の表を配り、「にくづきにほす」「さんずいにあお」みたいな説明から漢字を書かせました。慣れていないからでしょうか、みんな苦労していました。私が答えをホワイトボードに書くと、“なんだ、そんな字だったのか”といった顔も見受けられました。選択肢で部首を答えさせるくらいが安全かな。

その後、誤字訂正の問題をしました。“活清化”を訂正するところで正しい字を口で説明させました。最初に出てきたのが「せいかくのせい」。“正”と書いたら、「だんせいのせい」ときました。“声”と書いたらさすがにボケ過ぎですから、“性”と書きました。「りっしんべんにうまれる」ぐらい言ってほしかったなあ。せっかく部首を勉強したんだから。

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退場

1月30日(金)

12月のJLPTの結果が発表されました。今回から合格者にはCEFRのレベルが表示されるようになった点が今までと大きく違う点でしょう。1点でも合格点より低かったら、このレベルは表示されません。学生たちにはあまり浸透していないようですが、今後のことを考えると、知らしめていかなければなりません。

合否に関しては、ざっと見たところ、大きな番狂わせはなかったようです。実力のある学生が、受かるべくして順当に受かったという感じがします。ただ、受かったけれども、もう少し高い点を取ってもいいんじゃないかなという学生は何名かいました。毎度のことですが、背伸びしてN1を受けた学生は、仲良く討ち死にでした。

今回は、合否欄に「退場」と記された学生が数名いました。これは、全科目の試験が終わる前にスマホを手にした学生ではないかと思います。「退場」の数名は私が知らない学生ばかりで、そういうことをやりかねないのかどうなのかはわかりません。まずは事情聴取をして、本当にスマホが原因かどうか確かめ、もしそうなら、学校の中でしかるべき対策を考えなければなりません。

これから先は、学校として教育の成果を挙げていくことが求められます。その1つがJLPTの合格です。合格する力があっても「退場」させられてしまったら、何の意味もありません。スマホを我慢する訓練が必要ですが、授業中もスマホを握りしめている学生の姿を見ると、頭を抱えてしまいたくなります。デジタルデトックスを本気で考えなければなりません。

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第1歩の2問

1月26日(月)

Sさんは漢字が苦手な新入生です。毎日の漢字復習テストでいつも不合格です。「漢字の意味はわかるけど、書くのはどうしても苦手で…」と言っていました。本人もどうにかしようと思っているのですが、どうにもならないのが現状です。

漢字の復習テストは、前回の漢字の授業で勉強した漢字(熟語)の読み書き各5問で構成されています。6問正解で合格です。教科書に出てきた漢字やその熟語をそのまま問題にしていますから、復習してくれば合格点は取れるはずです。しかし、Sさんは書き問題で点が取れませんから、合格点に手が届きませんでした。

授業後、朝一番でした漢字復習テストを採点してみると、Sさんは6問正解で合格しました。初めての合格です。読み問題4問と、書き問題が2問正解していました。

書き問題は捨てて、読み問題5問を確実に正解すること。書き問題には、読み問題の漢字が使われるので、読み問題のどの漢字と書き問題のどの漢字が同じかわかれば、1問か2問は正解するはず。

実は、先週、上のようなアドバイスをしました。それがようやく実を結んで、書き問題2問の正解に結びつきました。“ねむい”を“眠むい”と書いた惜しい間違いもありましたから、大いに進歩したと言えます。明日以降も期待したいところです。

強固な苦手意識を克服するのは、たやすいことではありません。Sさんにしても、これで苦手意識が消え去ったわけではないでしょう。でも、その第1歩は踏み出したと言えます。これを契機に、漢字を書くことにもお、お城さを見出してもらいたいです。

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今どきの学生

1月6日(火)

今どき職員室に顔を出す学生は、期末テストの成績が悪かったか、進学の相談かのどちらかです。私は年末に何名かの不成績な学生を新年に呼んでいました。

Xさんはどうしても進級したいと言い張っていましたから、年末年始に勉強してもらい、引っ掛かったテストをもう一度受けさせることにしました。それで合格点が取れなかったらあきらめてもらうという計画を立てました。

そのXさん、昨日の午前中に“勉強したけど難しくてよくわからない”という弱気なメールを送ってきました。でも、テストは受けるだけ受けたいとのことでした。約束の時間の数分前に、Xさんは来ました。テスト用紙を渡すと、一心不乱に取り組みました。

本来の試験時間を少々オーバーしましたが、大目に見ました。Xさんの目の前で採点しました。玉砕でした。何問かは、私が×をつけた瞬間に「あ、○○」と正解を言いましたが、それを○にするわけにはいきません。期末テストよりも20点以上よくなったと、Xさんを担当した3名の教師以外は絶対理解不能の日本語もどきで訴えましたが、合格点には10点以上不足していると、ジェスチャーも交えて反論したら、あきらめました。

次はYさんです。こちらはXさんほどではありませんでしたから、宿題を課して、それをやってきたら進級ということにしました。宿題の問題集を2冊買ってもらおうと思ったのですが、お金が足りず、昨日は1冊だけ買って帰りました。最近の若者はみんなキャッシュレスですから、現金を持ち歩かないんですね。

そして、つい先ほど、Yさんが2冊目を買いに来ました。1冊目をやってからでいいと昨日言ったのですが、すぐに買いに来ました。どうしても上がりたいのでしょう。その意気は認めましょう。でも、会話力が心配だなあ。

Zさんは一時帰国から戻れなくなったと連絡がありました。国際情勢が影を落としているようです。Wさんはなしのつぶてです。どうしてやりましょう。

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返信をいただきました

12月25日(木)

期末テストの採点が終わると、残念な結果だった学生に連絡します。「もう一度同じレベルで勉強してください」というメールを書くのは、やはり気が重いものです。でも、進級してもそのレベルの授業が全然わからなかったら、その人にとって授業料と時間の無駄遣い以外の何物でもありません。進級できたらうれしいでしょうが、その先には苦難しか待っていません。

昨日、Sさんに“もう一度”のメールを送りました。期末テストで合格点の半分ぐらいの点しか取れませんでしたから、進級しても授業中はお客さんになるだけです。今朝、メールをチェックすると、そのメールに対する返信が届いていました。中を見てみると、立派な日本語でどうしても進級したいと訴えていました。

主張はすぐにわかりましたが、そこにはSさんの肉声はありませんでした。レベル1の、しかも期末テストに合格できなかった学生ですから、自分の気持ちを日本語で表現するには翻訳ソフトの助けが必要でしょう。しかし、Sさん自身の言葉が1つもないのには、冷たいというか、自分の要求をゴリ押ししてくるような強引さを感じました。メールの末尾に添えられた、“拝啓”のない“敬具”が、何もわからずに翻訳ソフトの文をそのままコピペしたことを表していました。

それに対して返信したら、夕方、また返信が来ました。朝よりもずっと長い文面で、進級したい気持ちが述べられていました。この10分の1の長さでいいから、Sさんが作った文で心情を語ってほしいです。

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12月24日(水)

Hさんが期末テストの追試を受けに来ました。先週金曜日の期末テスト当日は、体調不良というメールがあり、欠席しました。メールが届いた時間からすると、単なる寝坊かもしれないなと思いました。

期末テストの追試は月曜日に行われましたが、これまた体調不良で欠席。昨日も、だいぶ良くなったものの、まだ完全復活ではないとのことで、「明日受けます」というメールが届きました。

今朝も席に着いてからたびたびメールチェックをしましたが、Hさんからのメールはありませんでした。しかし、9時になっても10時になってもHさんは姿を現しませんでした。お昼の買い出しにちょっと外に出て戻ってきたら、Hさんが来たというではありませんか。ラウンジに行くと、Hさんがいました。乱れた髪が病み上がりの風情を醸し出していました。空咳ではない咳をしていて、S先生から職員室に置いてあるマスクを手渡されるほどでした。

早速テストを始めました。時折机に伏せるなど、本調子ではない様子がうかがえました。それでもどうにか最後までテストを全科目受けました。帰り際に出席率を気にするあたり、Hさんらしかったです。こういうことができるということは、最悪の状況は脱しているようです。

さて、採点です。はっきり言って、悪かったです。勉強した形跡が見られませんでした。先週末から今週前半にかけて、教科書も開けないほど具合が悪かったのでしょう。勝手に寝坊と邪推し、申し訳ありませんでした。この成績の悪さは、大目に見てあげることにしましょう。

Hさんは、年明けにも受験があるはずです。そこではこんな温情はかけてもらえません。年末年始は体調を整えることを第一に過ごしてもらいたいです。

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実力者

12月23日(火)

期末テストの前日に行った実力テストの採点をしました。実力テストは期末テストとは違って、試験範囲があるわけではなく、どんな系統の問題が出るか、学生たちには全くわかりません。ですから、成績の良し悪しは定期テストとは異なった傾向になり、授業中のパフォーマンスとも違う様相を示します。

Hさんは、授業中に発言したのを聞いたことがありません。指名してもマスク越しに蚊の鳴くような声で答えるだけですから、声がよく聞き取れませんでした。自信がないからそんな声なのかと思っていたら、実力テストではすばらしい成績でした。期末テストもそれなりの成績でしたが、それ以上でした。Yさんも同じようなタイプです。能ある鷹は爪を隠すタイプなのでしょうか。

Sさんは全神経を授業に集中するタイプです。克明にノートを取っている感じで、私のくだらない脱線も記録されているのかと思うと、気恥ずかしくなるほどです。でも、実力テストはあまり点数が伸びませんでした。しかし、自分の意見を書く問いには、授業中のSさんらしい答えが書かれていました。Jさんもこのタイプです。読解問題そのものよりも、ミニ小論文的な問題で点数を稼いでいました。

どちらのタイプの学生がいいとか悪いとかいう問題ではありません。どちらの学生も力はあります。初見ですぐに理解するか、何回も読んでじっくり理解を深めるか、その違いです。ただ、授業をする教師の立場からすると、SさんやJさんの方が、授業中頼りになり、その分、印象も強いです。

こういった学生の特徴も組み合わせて、新学期のクラス編成をしていきます。

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初めよければすべてよし?

12月22日(月)

期末テストの採点をしました。今回は“やっぱりね”という感じの成績ばかりでした。授業にまじめに参加している学生が高得点を挙げ、よく休む学生が赤点に沈みました。順当な結果だったということは、テスト問題も妥当だったということでしょう。

上級クラスは自分が受け持っているクラスの読解を採点しました。毎回真剣に話を聞いているAさんやHさん、教科書が真っ黒になるくらい書き込みをしているXさん、授業中に発言の多いJさんなどが、それにふさわしい好成績を取ってくれました。その一方で、授業中ボーっとしている学生たちが、見当違いの答えを並べて不合格となりました。

初級は、名前も知らない、顔を見ても全然わからない学生たちの答案の採点でした。情け容赦なくどんどん×をつけていきました…と言いたいところですが、きれいな字には甘くなってしまったような気もします。読もうという努力をしないと読めない字は、部分点ぐらいならあげられる答えも書かれていたかもしれませんが、バサッと斬り捨ててしまいました。どのクラスでも“字は丁寧に”と指導していますから、汚い字が不利な扱いを受けたとしても、しかたないですね。

その成績をクラス成績表に入力してみると、概ね中間テストや平常点と似たような数字でした。初級は下克上がいっぱいあってもよさそうなのですが、もう定位置が決まってしまったのでしょうか。それは何だか悲しい気がします。今は低空飛行の学生も、いつかは高高度で空中戦を繰り広げてもらいたいものです。

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模範解答と面接

11月19日(水)

いろいろとしなければならないことが多く、上級クラスの中間テストの採点が延び延びになっています。どうにかしなければと午前中奮起しようとしたのですが、このテストの模範解答がありません。せっかく時間に少し余裕ができ、やる気も湧いてきたのですから、ここで挫折するのは癪です。

こういう時は、よくできる学生の答案用紙に頼るに限ります。候補として、Aさん、Zさん、Yさん、Bさんを選びました。最初の問題の答えを比べると、Aさんが全問正解で、他の3名はいくつか間違っていましたから、Aさんの答えを土台に模範解答を作ることにしました。次の問題以降もAさんの答えを参考にしながら解いていくと、すらすら問題が解けました。最終的にAさんは93点で、模範解答選びは大正解でした。

さあ採点に移ろうと思ったところに、午後のレベル1のクラスの学生が面接に来ました。午後クラスは授業後にたくさん面接をするわけにはいきませんから、午前中に持ってきます。いつの間にか、最初の学生Cさんの面接の時間になっていました。Cさんの次はXさんが控えています。Xさんの面接が終わるころには、午後の授業の準備を始めなければなりません。採点はまたも延期になりました。模範解答ができたという大きな進歩がありましたから、多とすることにしましょう。これさえあれば、意外と短時間で採点できそうな気もします。

面接では、2人とも、クラスの雰囲気がいいと言ってくれました。確かに、マイナスのオーラを出している学生はいませんから、教える方も楽しいです。でも、楽しい、楽しいで勉強が上滑りしてはいけません。そこのところは引き締めていかなければなりません。ためになる授業もしなければね。

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