Monthly Archives: 11月 2022

右の耳から入って・・・

11月2日(水)

KCPでは、前の月の出席率が80%未満の学生には、欠席理由書を書かせます。これは内々の資料ではなく、入管への提出資料として使うことだってあります。公的書類の側面もあるのです。

Cさんは、残念ながら、欠席理由書を書かなければならない学生の1人です。私の授業の日にも姿を見せなかったこともあるし、遅刻も少なくないです。授業後に教室に残して欠席理由書の用紙を渡すと、Cさんはまず欠席日の欄に目をやりました。「先生、私、20日は入試でした。入試の日も欠席ですか」と、少し不満げな口調でクレームを付けました。

入試日は出席扱いにします。しかし、それには条件があります。事前に担任に欠席届を出す必要があります。急いで探してみましたが、Cさんの欠席届はありませんでした。

「Cさん、欠席届を出しましたか、これくらいの小さい紙の」「M先生にもらった紙ですか。それならうちにあります」「Cさんのうちに置いといても意味がないでしょう。どうして出さなかったの。欠席届がなかったら入試の日でも欠席です」「え、そんなこと知りませんでした。いつ言いましたか」「今学期の最初の日のオリエンテーションで言ったはずです」

学生は人の話を聞いていないんですね。うなずいていたからって安心してはいけません。Cさんの場合、先月11日の始業日の時点で、入試まで9日でした。入試まで90日だったら欠席届は他人事でもしかたありませんが、直前と言ってもいいタイミングだったのに、なんで自分事として聞かなかったのかなあ。また、M先生から用紙をもらったのなら、その時点で確認することだってできましたよ。

休み明けの金曜日もこのクラスですから、もう一度注意を促しましょう。ちなみに、Cさんは20日が出席になっても10月の出席率は80%に届きません。そちらも大問題です。

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安全パイは危険

11月1日(火)

WさんはR大学とK大学を受けました。R大学が第1志望でした。手が届くかどうかぎりぎりのところでしたから、出願書類からかなり念入りに準備していました。面接練習も怠りなく繰り返していました。担当された先生方の話によると、まじめな性格が裏目に出て、表情も言葉も非常に硬いとのことでした。どうやらそれが本番の面接でもそのまま出てしまったようで、話が弾むといった感じにはならず、Wさん自身も面接はあまりうまくいかなかったと言っていました。結果は、案の定でした。

R大学はチャレンジ校で、入れたら最高にうれしいといった大学でした。それに対して、K大学は滑り止めのつもりで出願した大学です。安全第一に考え、時分のEJUの点数で受かりそうな学部学科を選びました。“ド田舎”――これが、試験当日、K大学まで行ったWさんが最初に抱いた感想でした。R大学も田舎にありましたが、R大学ならその“ド田舎”に耐えられても、K大学で4年間過ごすのはちょっと…というのが、偽らざる気持ちだったようです。それが表に出てしまい、面接官に見破られてしまったのでしょうか、安全パイのはずだったK大学にも落ちてしまいました。さすがにショックで、落ち込んでいるというメールが担任のM先生に届きました。

やはり、入りたいという気持ちを強く持たねば、合格は難しいです。Wさんよりも成績の低い学生が志望校に受かっているのは、入りたいオーラを出していたからでしょう。Wさんも痛い目にあって考え方を改めたに違いありません。“入れる大学より入りたい大学”という基本に戻って、次の出願に向かっていくことでしょう。

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