波紋? 津波?

11月9日(水)

米国次期大統領がトランプさんに決まりました。“もしトラ”などと面白半分に万が一っぽく語られていたことが現実となりました。

午前の超級クラスでは、授業が終わると、学生たちは一斉にスマホを取り出し、開票状況をチェック。同時に為替レートも見るあたり、さすが留学生と思う一方で、この選挙結果が世界に与える影響の大きさを実感しました。

今年は、もしかすると、後世から民主主義のターニングポイントだったと指摘されるとしになるかもしれません。6月の英国のEU離脱は、Bregretなる新語とともに、後悔の文脈で語られることが多くなりました。英国民は真剣に投票したのでしょうが、その選択を英国民自身が後悔しているのだとすれば、民主主義に内在する、あるいは民主主義が本質として抱えている欠陥が露呈したと言えるのではないでしょうか。

トランプさんに投票した人たちが何を期待しているかはわかりませんが、「壁」の実現を求めているのであれば、それは自国の持つ影響力の大きさを忘れ去った身勝手な選択と言わざるを得ません。英国でも同様な考えに基づいた選択がなされたとしたら、これこそが民主主義の抱える本質的な問題点だと思います。

これらは他人事ではありません。日本が憲法を改正するとしたら、世界中から同じ目で見られるでしょう。その選択が、場合によっては、太平洋に大西洋にインド洋に、波紋どころか津波を巻き起こすことだってあり得ます。視野狭窄に陥った状態で自分たちにとってのベストチョイスを考えると、世界の笑いものになるかもしれません。国民みんなが大所高所に立って判断してこそ、世界中から尊敬される国になるのです。

これからしばらくは、超級の教材に事欠かないような気がします。

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