式と文

11月28日(月)

理系の学生の大学独自試験対策として、理科の筆記問題のクラスを始めました。EJUの選択肢の問題とは違った力が必要になりますから、短期間ではありますが、国立大学などを目指す学生のために始めました。

物理は、答案の書き方の指導が中心です。単に式の羅列に終始するのではなく、どういう発想でその式を導き出したのか、どういう理論・法則に基づいて式を立てたのかを明示しなければなりません。学生たちはここができません。先学期の受験講座でも扱ったのですが、指導が不徹底だったので、今回は厳しく指導していくつもりです。学生たちからは、ここまで書かないとだめなのかという声が挙がりましたが、式を並べただけでは減点されても文句は言えないと答えると、おとなしく私の板書を写していました。

私が大学受験するころは、式を立てるときにはどういう文字をどういう意味で使うのかきちんと断らなければならないとか、公式の名前は必ず書けとか、うるさく指導されました。でも、そのおかげで自分の考えを答案の形に表現することができるようになりましたし、それは、今、学生たちに問題の解き方を説明する時に非常に役立っています。物理を語る言語は数学であるとはよく言われますが、コミュニケーションツールは答案だとも言えるのではないでしょうか。

生物は文章で答える問題を中心に扱いました。EJUの問題と一番大きく違うのが、こういう問題です。グラフや実験結果の解釈を言葉で表現させる問題は、どこで出されるかわかりません。留学生には完璧な日本語は要求されないでしょうが、キーワードが含まれていなかったら、筆記問題の答えとしては致命的です。

EJUの理科は、問題自体は優れたものが多いと思いますが、それが選択肢問題になっているために「?」月になってしまっているきらいがあります。大学独自試験における筆答方式の問題は、その欠点を補うものであるのと同時に、学生に大学に入ってから必要な発想を求めるものだとも思います。ですから、EJUが終わったら、学生にはこちらに力を入れてもらいたいと思っています。

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