7月19日(水)
先学期の私のクラスは、学期の最初のころは、授業中はおとなしいし、病弱ですぐ休んじゃう学生や理由もなくなんとなく欠席を続ける学生などもいて、一時はどうなることかと頭を抱えてしまったものです。しかし、学期末は、意見は活発に出るし、なぜか誰も病気をしなくなり、欠けても1名という日が続き、いつになくまとまりのあるクラスになりました。初級のクラスでしたが、違う国出身の学生と学生が、共通言語である日本語を通じてコミュニケーションを取る姿がごく当たり前に見られました。期末テスト後の食事会では、進級してもこのクラスのままがいいという声が上がるほどでした。長欠になりそうだった学生が、クラスメートの力によって遅刻もせずにきちんと出席するようになったというところが、このクラスが学生たちにとっていかに居心地がよかったかを示しています。
他のクラスが何名かの不合格者を出したのを尻目に、このクラスは全員が進級しました。しかし、クラスは解体され、数名ずつの塊となって新クラスに配分されました。各クラスで、彼らが核となってまとめていってほしいという願いも込められていました。
ところが、今学期の初日から、このクラスのメンバーは何人も欠席しました。新クラスの核どころか、お荷物になってしまいました。長欠から立ち直ったと思った学生も、昨日、新旧の担任の先生方からたっぷり叱られていました。それ以外にも、Aさんは欠席とか、Bさんは2日連続とか、よからぬ噂が毎日のように私の耳に届きます。先学期は、惑星直列みたいな奇跡の一瞬だったのでしょうか。
そもそも、先々学期の先生方が先学期のクラスを作るとき、私のクラスがこんなすばらしいクラスになるとは、予想だにしていなかったでしょう。クラスの空気は教師の人知を越えた領域で作り出されるのです。教師のクラス運営がそのクラスの学生たちに与える影響を否定はしませんが、学生がお互いに触媒になって向上していくパワーにはかないません。
スピーチコンテストのクラス代表がほぼ決まりました。今学期は、スピーチコンテストを通して学生が成長していく学期です。