コロナよりも恐ろしい現実

3月31日(火)

世界中がコロナで大騒ぎしていますが、実は日本でとんでもないことが起こっているのです。

今年の東京の桜は、3月14日に日本でいちばん早く開花しました。満開も3月22日と、やはり日本でいちばん早かったです。桜前線は北上を続け、現在、仙台まで開花が確認されています。ところが、南国九州鹿児島では、まだ桜が咲いていないのです。鹿児島県内に咲いている桜が1本もないとまでは言いませんが、鹿児島市内のソメイヨシノの標準木は、いまだつぼみのままです。とうとう3月中に桜は咲きませんでした。いまだに咲いていないのは、北海道と、仙台・福島を除いた東北、それに長野・新潟です。いずれも北国・雪国です。

鹿児島がそんな地方と同じくらい寒かったのかというと、もちろん違います。むしろ、冬が暖かすぎたからなのです。桜の花が咲くには、暖かくなる前に、ある程度の寒さが必要です。低温の期間がないと、花の芽が形成されず、したがって花も咲きません。今年は全国的に暖冬でしたが、鹿児島では暖冬過ぎて花芽が形成されるだけの寒さに達せず、桜が咲かなくなってしまったのです。

鹿児島から約370km南にある奄美大島の名瀬では、桜の標準木がソメイヨシノではありません。ヒカンザクラです。名瀬以南はもともと暖かいですから、ソメイヨシノは咲かないため、ヒカンザクラを桜の標準木としています。鹿児島も、沖縄や奄美大島と同じように、ソメイヨシノが咲かない(咲けない)地域になってしまったのかもしれません。

コロナは、いずれ近い将来、ワクチンが開発されるでしょう。そうなれば、今のインフルエンザと同じように、ときどき大きな流行はあるものの、今年のように世界中の人々を恐怖のどん底に陥れるようなことはなくなると考えられます。しかし、地球温暖化にはワクチンはありません。そう遠くない将来、東京が今年の鹿児島のようにならない保証はどこにもありません。

コロナという目の前の災厄に対峙することも大切ですが、鹿児島の桜が仙台よりも遅くなったという現実も絶対に忘れてはいけません。

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