Category Archives: 気象

台風が来ませんでした

11月15日(土)

11月も半分が過ぎましたが、気が付いてみると、今年は東京地方には台風が来ませんでした。“えっ、八丈島は、先月、2つの台風が連続して来たじゃありませんか”と言われるかもしれませんが、台風が来なかったのは“東京都”ではなく“東京地方”です。

天気予報の世界では、行政区分の東京都を、東京地方、伊豆諸島、小笠原諸島と、3つの予報区に分けています。その中の東京地方は、今年は上陸したり通過したりした台風がなかったということです。例えば、 “福島県浜通り地方には台風が接近して雨風大変だったけど、会津地方は何ともなかった”というように、ある県の一部は台風に襲われたけれども、別の地方は影響がなかったということです。

都庁と八丈町役場の直線距離は286キロほどです。直線距離で言えば、東京~名古屋間よりも遠いです。これだけ離れていればお天気が違うのも当然です。

八丈島は、東京地方に雪が降るかどうかの分かれ目になる地点でもあります。西高東低の冬型が緩み、強い寒気団が関東平野まで出てきて、なおかつ絶妙のタイミングで低気圧が八丈島付近を通ると、都心をはじめ東京地方に積もるほどの雪が降ることがあります。歯切れが悪いのは、寒気の気温や低気圧のコースなど、条件がピシッとそろわないと降雪とはならないからです。八丈島は、そういう結びつきもある島です。

東京地方に台風が来なかった年はこれまでに何回かありましたから、異常気象とか温暖化とかという話とは直接結びつきません。全国的に台風による被害が激甚化している中、台風が来なかったというのはラッキーだったとは言えます。しかし、来年もこうなるという保証は、どこにもありません。

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心は木枯らし

11月4日(火)

それにしてもずいぶん冷え込みましたね。昨日は木枯らし1号でしたから、今朝はコートを着込みました。でも、外に出た瞬間、マフラーもしてくるんだったと思いました。都心の最低気温は8.2度で、今シーズン最低でした。8.2度と言えば、マフラーに手袋でもおかしくない気温です。

日中はよく晴れました。というか、よく晴れたから冷え込んだのです。いずれにしても、バーベキューの日にこのくらい晴れてくれればと思いました。いかにも秋空という感じで、きっと葛西臨海公園の海岸から富士山が拝めたことでしょう。海越しに富士山が見えたら、学生は大騒ぎだったでしょう。そのはしゃぎようを見て見たかった気もします。富士山は、日本人にとっても外国人にとっても、特別な山ですから。

火曜日は日本語プラスの授業を2つします。お昼の時間にEJUの記述、3:15から化学です。今度の日曜日、9日がEJU本番ですから、記述は最終回、化学も来週からは大幅に模様替えをします。来年6月のEJUを目指す授業を始めます。今週まではEJU過去問中心ですが、来週は基礎作りから始めます。

Kさんは最終回組ですが、基礎作りからやり直した方がいいみたいです。先週の記述を返却したら、どうして50点満点の10点なんだと聞いてきました。“?”を付けた文は何が言いたいかさっぱりわからなかったからだと答えると、この文のどこがわからないのかと聞き返されました。主述関係も修飾被修飾の関係も全くわからないと答えると、Kさんはその文の意味を説明し始めました。

Kさんの説明を私がやさしい日本語にすると、「そうです、そういうことです」とKさん。「じゃあ、そういうふうに書けばいいじゃない」「でも、中国ではこう書きます」「ここは日本です。日本の大学に入りたかったら、中国の書き方じゃなくて日本の書き方で書いてください」…。Kさんは自分の書き方を私に認めさせようとしましたが、私は頑として認めませんでした。今までに同じようなやり取りを繰り返してきました。

最終的に、Kさんは「私は作文が下手ですから…」と気落ちしたような表情で去っていきました。Kさんの心の中の気温は、8.2度どころではなかったでしょう。

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寒くなりましたね

10月24日(金)

1か月ほど前のこの稿に“秋の気温は釣瓶落としではないか”と書きましたが、それが現実のものとなりつつあります。コートはもちろんのこと、ダウンジャケットではないでしょうが、もこもこの防寒着を着込んでいる学生が目立つようになりました。おとといでしたでしょうか、日中外に出たら、吐息がかすかに白くなりました。秋どころか、初冬の趣です。

私も、先週までは夏用の薄いスーツでしたが、今週からは裏地付きの冬のスーツを着ています。それでも、おとといあたりは、朝、外に出た瞬間、マフラーがほしいと思いました。もう一歩季節が進めば、いよいよヒートテックの出番です。コートは11月からと考えていますが、来週は寒さに耐えられるでしょうか。

さて、ちょうど1週間後、来週の金曜日はバーベキューです。気象庁をはじめとする予報によると、31日(金)の東京地方は、曇りで最高気温は20度くらいとのことです。最低気温が12~13度だそうですから、真冬の最高気温ぐらいです。調理で火を使うものの、やはり着込んできた方が無難でしょう。

午前中に入った上級クラスで、バーベキューのメニューの話し合いをしました。毎年のことですが、学生たちは食材を買い込みすぎて余らせがちです。このクラスでも、牛2キロ、豚2キロ、鳥2キロ…などと言い始めましたから、抑えに回りました。昨日のクラスでも学生たちが暴走しそうになりましたから、なだめ役を務めました。でも、こういうのって、計画を立てている時が、いくらでも想像を膨らませられて楽しいものなんですよね。

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カラリ

9月26日(金)

18日以来、8日ぶりに最高気温が30度を超えました。日中外出しましたが、気温の高さは感じたものの、肌を包み込むような熱気はなく、日陰に逃げたいという暑さではありませんでした。空も、先日までのような、いかにも水蒸気をたくさん含んでいそうな白っぽい感じではなく、“天高く”という表現がぴったりくる青さでした。

気象庁のページを見てみると、18日までに比べて、最近は湿度が低くなっています。最低湿度が40%台の日が続いています。18日以前は70%台の日もちょくちょくありましたから、さわやかさの原因はこの湿度の低さにあるに違いありません。

今年ほど夏と秋の境界が明確な年は珍しいのではないでしょうか。夏は9月18日まで、秋は19日からと、スパッと切り分けることができます。真夏日はもう何回かあるかもしれませんが、熱帯夜になることはないでしょう。秋が19日から始まり、彼岸の入りが20日でしたから、「暑さ寒さも彼岸まで」も律儀に具現してくれました。

夏だった頃、今年は秋があるのだろうかという話をこの稿に書きましたが、それはまだ生きているようです。今年はあっという間に気温が下がり、冬は例年より寒いくらいだそうです。“秋の気温は釣瓶落とし”といったところでしょうか。寒い冬が来るなら温暖化は止まったのでは、と思いたくなりますが、これもまた温暖化のせいで偏西風の吹き方が変になり、日本上空に寒気団が訪れるからだそうです。

短い秋になりそうですが、精一杯楽しもうではありませんか。

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秋初日

9月19日(金)

すっかり秋めいちゃいましたねえ。今朝の最低気温は18.6度で、東京の気温が20度を割ったのは3か月ぶりだとか。また、日中の最高気温は26.3度でしたが、この前の日曜日は最低気温でさえ26.6度でした。昨日まで生暖かかった外階段の金属製の手すりも、12:15に授業が終わって1階へ降りて来る時でも触るとひんやりしました。

気象庁の観測データを細かく見ていくと、昨日の午後3時頃を境に、南ないし西寄りの風だったのが、北ないし東寄りの風に変わりました。ほぼ同時に、それまで北陸地方の沿岸にあった前線が、関東南岸にまで南下しました。東京の気温は、10分間で2度余り下がり、その後も下がり続けて、秋に突入しました。同じころ、大阪でも20分で4度下がりました。秋の空気が入り込んだのです。

急に涼しくなったせいかどうか知りませんが、毎朝早く登校してラウンジで勉強しているSさん、今朝はのどが痛いとのことで、かすれた声で「おはようございます」と挨拶していました。私の教室では、暑がりのCさんがエアコンを強くすると、寒がりのLさんは比較的気温の高い窓際でも震えていました。クラスのみんなが一致団結してエアコンがんがんなら話は簡単なのですが、こういう微妙な気温の時期は、室温のかじ取りが難しいです。

先日のこの稿で、“10月1日に衣更えができるだろうか”と書いてしまいましたが、この調子だと滝のような汗を流しながらスーツ姿という最悪の事態には陥りそうにありません。予報によると、真夏日は復活しても、熱帯夜は打ち止めのようです。

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まだまだ夏ですが

9月9日(火)

九月九日、重陽の節句、菊の節句です。しかし、そんな雰囲気は微塵も感じられず、日中は太陽パワー全開です。10月1日から衣更えの予定ですが、本当にできるんでしょうか。

そして、帳尻を合わせるかの如く、冬が駆け足でやってくるのでしょう。11月にはコートを着込むことになるとしたら、秋はひと月ほどにすぎません。となると、秋は味わうのではなく単なる通過点になってしまいます。今年の中秋の名月は10月6日だそうですが、それまでにススキは穂を出すのでしょうか。

季節の歩みは牛歩のごとくですが、受験カレンダーはトントンと進んでいます。明日とあさってはSさんがK大学の大学院を受験します。YさんはH大学の出願に使う出席成績証明書を申し込みました。先学期受け持ったUさんはあちこちの大学に出願しているようで、時折相談に来ます。金曜日には指定校推薦の校内面接第2弾が控えています。まだ暑いからと言ってのんびり構えていては、受験戦争に負けてしまいます。

日本語プラスの時間に、Rさんの模擬面接をしました。受験日の一番近いRさんを、他の学生の見本にしようという算段です。先週予告しておきましたから準備してきたのでしょうか、こちらの質問にすらすら答えてくれました。文法や言葉の使い方などのミスが全くないわけではありませんでしたが、誤解が生じるような間違え方ではなく、スムーズなコミュニケーションができました。見ていた学生のいいお手本になりました。本番もこのくらいやってくれたら、合格の可能性がぐっと高まります。

東京の日没は17:58でした。太陽運行の上での秋は、着実に訪れています。

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38.5度だと

8月30日(土)

昨日、アリとキリギリスの話を使った授業をしました。アリが仲の良かったキリギリスに食物を与えず真冬の寒空に追い返したのは保護責任者遺棄致死罪に問われるかどうかということで、学生に話し合ってもらおうと思いました。ところが、クラスの大半の学生が、アリとキリギリスの話を知りませんでした。これはイソップ物語であり、一寸法師とか泣いた赤鬼とか、純粋な日本の昔話ではありませんから、誰もが知っているかと思いきや、まるで違っていました。

私が知っているアリとキリギリスの話は最後にキリギリスが死んでしまうのですが、知っていると言った学生の話は、アリがキリギリスを家に招じ入れたというものでした。結末がまるで正反対ではないかと授業後に調べてみたら、そういうストーリーもあるのだそうです。なんだかよくわからなくなってきました。

キリギリスが死んでしまうバージョンは、勤勉こそ何にも勝る、将来のために今汗を流すことの重要性といったことを説いています。キリギリスを助けるストーリーは、他者への慈悲、優しさの大切さを訴えているのだそうです。さらに、今では、人生の多様性とか、芸術の意義とか、そんな方面に話が進んでいるのだそうです。うさぎとかめなんかも、昼寝をしたにもかかわらずうさぎが勝って、“天賦の才に勝るものはない”なんていう結論になっているかもしれませんね。

さて、授業の方は、アリは無罪という意見が、有罪の3倍ぐらいと圧勝しました。でも、有罪を訴えた学生も、立派な論理を展開していました。

いや、今年のような暑さなら、アリも夏の間は働けず、そしてキリギリスと一緒に飢えてしまったかもしれません。東京の最高気温は38.5度、今年最高でした。

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朝から暑いですね

8月26日(火)

わりと最近まで、夏の高校野球は、開会式の頃はまだまだ夏の盛りだけど、決勝戦の頃は秋風が立ち始めると言われていました。しかし、今年は決勝戦が終わっても、秋の気配などまるでなく、東京は猛暑日が続いています。明日以降も当分猛暑からは解放されそうにありません。

私は朝暑くなる前に学校に着きますが、それでもシャワーを浴びたいほどです。炎天下を歩いてきたわけでもないのに、汗でシャツが肌に張り付きます。大気に熱がこもっている感じがします。風もほとんどないので、その熱が体にまとわりついて、汗を噴き出させます。

職員室は前日夜のエアコンの冷気がすっかり抜けてしまっていますから、学校に着いて真っ先にすることは、エアコンをONにすることです。1階ロビーは熱気がこもっていて、さらに汗が滴ります。職員室にこもって体を冷やしてから、正面玄関の鍵を開けます。

そんなことをしているうちに、毎朝計ったように6:24に来るKさんが職員室のドアをノックします。「おはようございます。今日も頑張って勉強します」と挨拶して、2階のラウンジに向かいます。ラウンジのエアコンをつけて、ガンガン冷やしてあげます。熱中症で倒れてしまいでもしたら、大騒動ですからね。

その後の小一時間は、私にとってはゴールデンタイムです。誰もいない静かな職員室で、集中力を要する仕事をします。今朝は、授業で使う教材を一気に仕上げました。予定より早くできましたから、来週の教材の素案を練りました。この時間、自転車操業には欠かせないひとときです。

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7ミリの雨

8月8日(金)

午後、日本語プラスの授業をしていたら、窓の外が暗くなってきました。そして、数分のうちに、音を立てて雨が降り出しました。「あんたたち、傘、持って来た?」と聞くと、学生たちは不安そうに首を振りました。

授業を進めて、最後に練習問題を配り、もう一度外を見てみると、青空から日が差しているではありませんか。通り雨、夕立、いずれにしても短時間のうちに雨は上がってしまいました。

授業を終えて外階段に出ると、いくらか涼しさを感じました。気象庁のデータで調べてみると、練馬のアメダスでは、13:00に32.5度だったのが、13:30には20.7度と、11.8度も下がりました。この間、7ミリの雨が降りました。気温の低下は、気化熱によるものでしょう。また、13:27に北北東の風17.9メートルの最大瞬間風速を記録しています。練馬は、小ぶりの嵐だったのでしょう。

その後、練馬は雨雲が遠ざかるとともに気温が上がり、17:20には30.2度となっています。7ミリの雨が全部蒸発し、周りから熱気が入り込んできたのでしょう。湿度は67%で、雨が降る直前の47%からだいぶ上がっています。蒸し暑さが戻ってしまった感じがします。

昨日が立秋ですから、すでに“暦の上では秋”ですが、そんな表現がむなしく感じます。最低気温が20.7度ですから、「最低気温が25度以上の日」という熱帯夜の定義に照らし合わせると、8月8日は熱帯夜にはなりません。しかし、“日没から翌日の日の出までの最低気温が25度以上”と定義し直すと、昨晩も今晩も熱帯夜になりそうです。

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東京は降ったけど

8月2日(土)

東京地方は台風のおかげで、昨日から今朝にかけて26.5ミリの雨が降りました。しかし、北陸や東北の日本海側の米どころは、極端な少雨に見舞われています。先月の降水が平年の8%などというところもあります。今年も秋以降に米不足が発生するかもしれません。旱に不作なしとは言うものの、穀倉地帯全体に慈雨が降らないとなれば、他地域が豊作でも追いつくものではありません。秋以降が気がかりです。

去年の米価高騰は、流通の目詰まりが原因だという説がありました。しかし、詳細に検証していくと、目詰まりはどこにも起きていなかったそうです。単に市場に出回るコメの量が少なかった、足りなかっただけだそうです。そうなると、今年はすでに備蓄米を放出していますから、去年以上にコメが足りなくなるおそれがあります。おにぎりが高級料理になる日も近いかもしれません。猫まんまを猫に食べさせるなんてもってのほかなどということにもなりかねません。

私はパンでも麺でも何でも食べますが、白いご飯を口に入れ、いつまでも噛み続けていると、だんだん甘くなってくる感覚は、白飯ならではのものでしょう。それが味わえなくなるというのは、寂しい限りです。あまりお行儀よくありませんが、1食に1回はやっていますから。

日本はコメだけはたくさんあると信じていたのですが、米蔵の床は案外脆弱だったようです。石破さん、この問題をうまくさばいたら、あなたは吉宗に匹敵する為政者ということになるんですよ。参院選での汚名を雪ぐためにも、ぜひともどうにかしてください。

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