Category Archives: 気象

カラリ

9月26日(金)

18日以来、8日ぶりに最高気温が30度を超えました。日中外出しましたが、気温の高さは感じたものの、肌を包み込むような熱気はなく、日陰に逃げたいという暑さではありませんでした。空も、先日までのような、いかにも水蒸気をたくさん含んでいそうな白っぽい感じではなく、“天高く”という表現がぴったりくる青さでした。

気象庁のページを見てみると、18日までに比べて、最近は湿度が低くなっています。最低湿度が40%台の日が続いています。18日以前は70%台の日もちょくちょくありましたから、さわやかさの原因はこの湿度の低さにあるに違いありません。

今年ほど夏と秋の境界が明確な年は珍しいのではないでしょうか。夏は9月18日まで、秋は19日からと、スパッと切り分けることができます。真夏日はもう何回かあるかもしれませんが、熱帯夜になることはないでしょう。秋が19日から始まり、彼岸の入りが20日でしたから、「暑さ寒さも彼岸まで」も律儀に具現してくれました。

夏だった頃、今年は秋があるのだろうかという話をこの稿に書きましたが、それはまだ生きているようです。今年はあっという間に気温が下がり、冬は例年より寒いくらいだそうです。“秋の気温は釣瓶落とし”といったところでしょうか。寒い冬が来るなら温暖化は止まったのでは、と思いたくなりますが、これもまた温暖化のせいで偏西風の吹き方が変になり、日本上空に寒気団が訪れるからだそうです。

短い秋になりそうですが、精一杯楽しもうではありませんか。

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秋初日

9月19日(金)

すっかり秋めいちゃいましたねえ。今朝の最低気温は18.6度で、東京の気温が20度を割ったのは3か月ぶりだとか。また、日中の最高気温は26.3度でしたが、この前の日曜日は最低気温でさえ26.6度でした。昨日まで生暖かかった外階段の金属製の手すりも、12:15に授業が終わって1階へ降りて来る時でも触るとひんやりしました。

気象庁の観測データを細かく見ていくと、昨日の午後3時頃を境に、南ないし西寄りの風だったのが、北ないし東寄りの風に変わりました。ほぼ同時に、それまで北陸地方の沿岸にあった前線が、関東南岸にまで南下しました。東京の気温は、10分間で2度余り下がり、その後も下がり続けて、秋に突入しました。同じころ、大阪でも20分で4度下がりました。秋の空気が入り込んだのです。

急に涼しくなったせいかどうか知りませんが、毎朝早く登校してラウンジで勉強しているSさん、今朝はのどが痛いとのことで、かすれた声で「おはようございます」と挨拶していました。私の教室では、暑がりのCさんがエアコンを強くすると、寒がりのLさんは比較的気温の高い窓際でも震えていました。クラスのみんなが一致団結してエアコンがんがんなら話は簡単なのですが、こういう微妙な気温の時期は、室温のかじ取りが難しいです。

先日のこの稿で、“10月1日に衣更えができるだろうか”と書いてしまいましたが、この調子だと滝のような汗を流しながらスーツ姿という最悪の事態には陥りそうにありません。予報によると、真夏日は復活しても、熱帯夜は打ち止めのようです。

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まだまだ夏ですが

9月9日(火)

九月九日、重陽の節句、菊の節句です。しかし、そんな雰囲気は微塵も感じられず、日中は太陽パワー全開です。10月1日から衣更えの予定ですが、本当にできるんでしょうか。

そして、帳尻を合わせるかの如く、冬が駆け足でやってくるのでしょう。11月にはコートを着込むことになるとしたら、秋はひと月ほどにすぎません。となると、秋は味わうのではなく単なる通過点になってしまいます。今年の中秋の名月は10月6日だそうですが、それまでにススキは穂を出すのでしょうか。

季節の歩みは牛歩のごとくですが、受験カレンダーはトントンと進んでいます。明日とあさってはSさんがK大学の大学院を受験します。YさんはH大学の出願に使う出席成績証明書を申し込みました。先学期受け持ったUさんはあちこちの大学に出願しているようで、時折相談に来ます。金曜日には指定校推薦の校内面接第2弾が控えています。まだ暑いからと言ってのんびり構えていては、受験戦争に負けてしまいます。

日本語プラスの時間に、Rさんの模擬面接をしました。受験日の一番近いRさんを、他の学生の見本にしようという算段です。先週予告しておきましたから準備してきたのでしょうか、こちらの質問にすらすら答えてくれました。文法や言葉の使い方などのミスが全くないわけではありませんでしたが、誤解が生じるような間違え方ではなく、スムーズなコミュニケーションができました。見ていた学生のいいお手本になりました。本番もこのくらいやってくれたら、合格の可能性がぐっと高まります。

東京の日没は17:58でした。太陽運行の上での秋は、着実に訪れています。

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38.5度だと

8月30日(土)

昨日、アリとキリギリスの話を使った授業をしました。アリが仲の良かったキリギリスに食物を与えず真冬の寒空に追い返したのは保護責任者遺棄致死罪に問われるかどうかということで、学生に話し合ってもらおうと思いました。ところが、クラスの大半の学生が、アリとキリギリスの話を知りませんでした。これはイソップ物語であり、一寸法師とか泣いた赤鬼とか、純粋な日本の昔話ではありませんから、誰もが知っているかと思いきや、まるで違っていました。

私が知っているアリとキリギリスの話は最後にキリギリスが死んでしまうのですが、知っていると言った学生の話は、アリがキリギリスを家に招じ入れたというものでした。結末がまるで正反対ではないかと授業後に調べてみたら、そういうストーリーもあるのだそうです。なんだかよくわからなくなってきました。

キリギリスが死んでしまうバージョンは、勤勉こそ何にも勝る、将来のために今汗を流すことの重要性といったことを説いています。キリギリスを助けるストーリーは、他者への慈悲、優しさの大切さを訴えているのだそうです。さらに、今では、人生の多様性とか、芸術の意義とか、そんな方面に話が進んでいるのだそうです。うさぎとかめなんかも、昼寝をしたにもかかわらずうさぎが勝って、“天賦の才に勝るものはない”なんていう結論になっているかもしれませんね。

さて、授業の方は、アリは無罪という意見が、有罪の3倍ぐらいと圧勝しました。でも、有罪を訴えた学生も、立派な論理を展開していました。

いや、今年のような暑さなら、アリも夏の間は働けず、そしてキリギリスと一緒に飢えてしまったかもしれません。東京の最高気温は38.5度、今年最高でした。

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朝から暑いですね

8月26日(火)

わりと最近まで、夏の高校野球は、開会式の頃はまだまだ夏の盛りだけど、決勝戦の頃は秋風が立ち始めると言われていました。しかし、今年は決勝戦が終わっても、秋の気配などまるでなく、東京は猛暑日が続いています。明日以降も当分猛暑からは解放されそうにありません。

私は朝暑くなる前に学校に着きますが、それでもシャワーを浴びたいほどです。炎天下を歩いてきたわけでもないのに、汗でシャツが肌に張り付きます。大気に熱がこもっている感じがします。風もほとんどないので、その熱が体にまとわりついて、汗を噴き出させます。

職員室は前日夜のエアコンの冷気がすっかり抜けてしまっていますから、学校に着いて真っ先にすることは、エアコンをONにすることです。1階ロビーは熱気がこもっていて、さらに汗が滴ります。職員室にこもって体を冷やしてから、正面玄関の鍵を開けます。

そんなことをしているうちに、毎朝計ったように6:24に来るKさんが職員室のドアをノックします。「おはようございます。今日も頑張って勉強します」と挨拶して、2階のラウンジに向かいます。ラウンジのエアコンをつけて、ガンガン冷やしてあげます。熱中症で倒れてしまいでもしたら、大騒動ですからね。

その後の小一時間は、私にとってはゴールデンタイムです。誰もいない静かな職員室で、集中力を要する仕事をします。今朝は、授業で使う教材を一気に仕上げました。予定より早くできましたから、来週の教材の素案を練りました。この時間、自転車操業には欠かせないひとときです。

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7ミリの雨

8月8日(金)

午後、日本語プラスの授業をしていたら、窓の外が暗くなってきました。そして、数分のうちに、音を立てて雨が降り出しました。「あんたたち、傘、持って来た?」と聞くと、学生たちは不安そうに首を振りました。

授業を進めて、最後に練習問題を配り、もう一度外を見てみると、青空から日が差しているではありませんか。通り雨、夕立、いずれにしても短時間のうちに雨は上がってしまいました。

授業を終えて外階段に出ると、いくらか涼しさを感じました。気象庁のデータで調べてみると、練馬のアメダスでは、13:00に32.5度だったのが、13:30には20.7度と、11.8度も下がりました。この間、7ミリの雨が降りました。気温の低下は、気化熱によるものでしょう。また、13:27に北北東の風17.9メートルの最大瞬間風速を記録しています。練馬は、小ぶりの嵐だったのでしょう。

その後、練馬は雨雲が遠ざかるとともに気温が上がり、17:20には30.2度となっています。7ミリの雨が全部蒸発し、周りから熱気が入り込んできたのでしょう。湿度は67%で、雨が降る直前の47%からだいぶ上がっています。蒸し暑さが戻ってしまった感じがします。

昨日が立秋ですから、すでに“暦の上では秋”ですが、そんな表現がむなしく感じます。最低気温が20.7度ですから、「最低気温が25度以上の日」という熱帯夜の定義に照らし合わせると、8月8日は熱帯夜にはなりません。しかし、“日没から翌日の日の出までの最低気温が25度以上”と定義し直すと、昨晩も今晩も熱帯夜になりそうです。

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東京は降ったけど

8月2日(土)

東京地方は台風のおかげで、昨日から今朝にかけて26.5ミリの雨が降りました。しかし、北陸や東北の日本海側の米どころは、極端な少雨に見舞われています。先月の降水が平年の8%などというところもあります。今年も秋以降に米不足が発生するかもしれません。旱に不作なしとは言うものの、穀倉地帯全体に慈雨が降らないとなれば、他地域が豊作でも追いつくものではありません。秋以降が気がかりです。

去年の米価高騰は、流通の目詰まりが原因だという説がありました。しかし、詳細に検証していくと、目詰まりはどこにも起きていなかったそうです。単に市場に出回るコメの量が少なかった、足りなかっただけだそうです。そうなると、今年はすでに備蓄米を放出していますから、去年以上にコメが足りなくなるおそれがあります。おにぎりが高級料理になる日も近いかもしれません。猫まんまを猫に食べさせるなんてもってのほかなどということにもなりかねません。

私はパンでも麺でも何でも食べますが、白いご飯を口に入れ、いつまでも噛み続けていると、だんだん甘くなってくる感覚は、白飯ならではのものでしょう。それが味わえなくなるというのは、寂しい限りです。あまりお行儀よくありませんが、1食に1回はやっていますから。

日本はコメだけはたくさんあると信じていたのですが、米蔵の床は案外脆弱だったようです。石破さん、この問題をうまくさばいたら、あなたは吉宗に匹敵する為政者ということになるんですよ。参院選での汚名を雪ぐためにも、ぜひともどうにかしてください。

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雨のおかげで

7月10日(木)

東京は6時過ぎから18ミリの雷雨がありました。雷の音だけ聞いていると、新宿ではもっと降ったような気もします。この雨とそれを降らせた寒気のおかげで、日中よりも気温が10度も下がりました。朝の最低気温は26度台だったのに、今の気温は23度台です。今夜は、少しは寝やすくなるでしょうか。

ここ数日、最高気温が35度前後の日が続いていましたが、明日以降は30度を下回るという予報が出ています。そうなってくれると、午後の授業が楽になります。実は、昨日もそうでしたが、午後授業の教室は暑いのです。教室のエアコンの設定を23度とかにしても、とても23度とは思えない生ぬるい空気が吹き出してくることがあります。各教室でエアコンを強力な設定にしますから、校舎全体としての冷房能力が追い付かないのでしょう。教室には若さの塊のような、熱をいっぱい放散しそうな学生たちが大勢いますから、弱々しい冷房では熱の方が買ってしまうのです。一方、職員室は年寄りばかりで、しかも人口密度も教室ほどではありませんから、設定温度をそれほど下げなくてもそこそこ涼しいです。

気温が上がらないのは結構なことですが、そうすると学生の風邪が心配です。昨晩までの熱帯夜と同じ調子でエアコンをガンガンに利かせて、上に何も掛けずに寝たら、やられちゃうでしょうね。学生は意外とひ弱ですから。今朝、「熱中症かもしれない」と欠席メールを送ってきたSさんは、今晩は健やかに寝られるでしょうか。それとも風邪への道をまっしぐらということになってしまうのでしょうか。

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暑いですね

6月27日(金)

朝、出勤のために外に出たら、ムッとした熱気を感じました。地面が濡れていましたから、夜中に雨が降ったようです。雨が降って気温が下がればいいのですが、湿度が上がって蒸し暑くなり、その熱気が私に襲い掛かってきたのです。真夏ほどではありませんが、駅まで数分の道のりで、うっすら汗をかきました。

午前中仕事をしていると、近畿以西が梅雨明けしたというニュースが聞こえてきました。ほんの数日前、梅雨明けまで1か月くらいかかりそうだという話を聞いたような気がするんですが、九州から近畿までは、平年よりかなり早い梅雨明けを迎えました。

関東も、もうすぐ梅雨明けかなと思って予想天気図を見てみると、梅雨前線の動きが微妙です。南下する予報が出ています。週間予報を見ても、傘マークこそ出ていませんが、“梅雨明け10日”と言われるような晴天続きにもならないみたいです。何より、日中は晴れたものの湿度が高かったですから、東京を覆っている空気がまだ梅雨です。気象庁の観測データを見ても、東京の湿度は70%前後で、梅雨が明けた大阪は50%を切っていますから、だいぶ高いです。

さて、そんな中、アメリカの大学のプログラムで来ている学生たちは、そのプログラムの一環として、山梨旅行をしています。アメダスの観測によると、甲府の最高気温は35.0℃で猛暑日、全国2位タイでした。よりによってとんでもない日に行ったものです。何の連絡もないということは、熱中症で倒れたとかという人もいなかったのでしょう。この暑さも、日本の思い出になるのかな。

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フェンスの向こうに

4月5日(土)

お昼に外に出て学校の近くを歩いていたら、花園公園がけっこうなにぎわいでした。園内では、地元の方かこの近くにお勤めの方たちが、ベンチに腰掛けて桜を見上げながら、談笑したりお弁当を食べたりコーヒーを飲んだりしていました。風が少し冷たく感じましたが、そんなに長い時間花見に興じていることはないでしょうから、花に動きが出てちょうどよかったかもしれません。

さて、この花園公園ですが、年度末に工事をして、公園の周りをぐるりとフェンスで囲みました。併設されている小学校と保育園に変な人が侵入しないようにということなのでしょう。夜間は扉が閉められて、だれも出入りできなくしています。1本1本の針金は細くても、それがフェンスの形となると、やはりいくらか物々しさが醸し出されます。桜の美しさを打ち消すほどではありませんが、フェンスの内側に入っても、ちょっと気になるかな。

花園公園の桜はソメイヨシノでしょうが、このまま温暖化が進むと、そう遠くない将来、ソメイヨシノが咲かなくなるかもしれません。ソメイヨシノが咲くには、真冬の厳しい寒さが必要です。寒さがないと、冬が来たと認識できず、冬に備える態勢がずっと続き、気温が高くなっても花芽が育ちません。現に、沖縄の桜はソメイヨシノではなく、ヒカンザクラ(緋寒桜)という別品種です。

「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」と詠んだ在原業平の時代は、まだソメイヨシノは生まれていませんでした。でも、超暖冬でソメイヨシノが咲かない春を迎えたとしたら、誰の心ものどかではないでしょう。フェンス越しの桜ぐらい、どうってことありませんよ。

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