最後まで気を抜かず

3月4日(金)

Tさんは先学期受け持った学生です。今年の4月に進学しようとあちこち受けていましたが、全て落ちたら入管の特例を利用して、もう1年KCPで勉強しようと考えていました。在籍期間延長の申請書もぬかりなく提出していました。出席率も学業に対する態度も全く問題ありませんから、延長は認められました。

そのTさん、ここまで来て志望校の1つに合格しました。Tさんが努力している姿を目にしていた者として、喜ばしい限りです。Tさんは合格がわかったらすぐに、延長申請の取り下げ手続きをしました。延長申請をした後で合格が決まった学生はTさんだけではありませんが、申請取り下げを自ら訴えてくる学生は多くありません。こちらが情報をつかみ、本人に取り下げを確認するというパターンが大半です。

日本語学校は日本留学のゲートウェイと言われていますから、それぐらいのお世話はします。在留資格上で進学先の留学生になるためにはKCPの側でも手続きが必要ですから、そこでチェックすることも可能です。しかし、そういうなし崩し的な変更はしてほしくないですね。KCPを出たら、そんなことは許されない場合の方が多いのではないでしょうか。そこをきちんと始末してから出ていこうとしているあたりは、さすがTさんです。

その上、Tさんは卒業式以降も3月いっぱいKCPに通って日本語を勉強したいと言います。3月31日までは法律的にKCPの学生ですから、もちろんその権利はあります。自分の日本語力を少しでも上げておきたい、日本語に対する不安を多少なりとも解消したいという気持ちです。そういう学生は、毎年ごくわずかですがいます。しかし、多くが挫折します。一緒に勉強してきた友達が教室から、学校からいなくなるからです。でも、Tさんなら最後までやり通すような気がします。私が受け持った時も意志が強かったですから。

Tさん、あなたならきっと、日本で実り多い勉強ができますよ。自信を持って進んでください。

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