受かっても頭が痛い

12月16日(金)

RさんはT大学の大学院に受かりました。はっきり言って、日本語がよくできる学生ではありませんから、担当教師一同、合格を危ぶんでいました。もし落ちていたら、地獄の日々を歩む羽目に陥っていたかもしれません。きっと、研究計画書が素晴らしかったのでしょう。

さて、そのRさんのクラスでディクテーションをしましたが、Rさんはペンが動きません。他の学生は、間違いはあっても何か書いていましたが、Rさんは番号しか書けませんでした。続いて内容把握の聴解問題をしましたが、こちらもさっぱりでした。

T大学の大学院は、決していい加減な大学院ではありません。きちんとした学生選抜をしているはずです。でも、Rさんの聴解のできなさ加減を見ていると、進学後、授業についていけるだろうか、教授をはじめ研究室の人たちとディスカッションができるのだろうかと、心配にならずにはいられません。

今までのRさんを見ると、選択肢の問題はどうにか点を取ります。しかし、聞いたことを文字にするとか読んだ内容を要約するとかとなると、神通力が薄れてしまいます。だから、大学院でやっていけるだろうかと懸念を抱いてしまうのです。大学院で必要な日本語力は、どう考えても4択問題の解き方ではありませんから。

そうはいっても、合格した限りは最低2年間、講義を聞いたりレポートを書いたり、周りの方たちと議論を戦わせたり、研究計画によってはフィールドワークをしたりしていきます。卒業式まで残り3か月ほどですが、少しでもそういった研究生活にたえられる日本語力をつけていってもらいたいです。

落ちたらもちろん、受かっても心配、因果な商売です。

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