分かれ道

11月27日(金)

理科系の受験講座を受けている初級のSさんは、中間テストの成績が思わしくありませんでした。本人としては授業がわかっているつもりだったのですが、今学期に勉強してきたすべてのことがテスト範囲となると、あちこちに抜け落ちがあることが明らかになりました。期末テストは難しくなることを勘案すると、来学期の進級が危ない状況です。

Sさんは、典型的な話を最後まで聞かないタイプの学生です。気持ちばかりがはやっていて、地に足がついていません。頭の回転は速いほうだと思いますが、回転の速さを制御できず、暴走しがちな感じがします。

理科の授業でも早とちりが多く、ちゃんと理解しているかどうかくどいくらいに確認しないといけません。引っ掛け問題には簡単に引っ掛かります。理数系のカンは働くのですが、カンに頼ってしまい、じっくり考えることが苦手なように見受けられます。よく言えば天才肌ですが、今のところは単なる粗忽者に甘んじています。

入学以来順調に進級してきましたが、初級の終わりに近づき、じっくり考えないと答えにたどり着けないような問題が多くなると、今までのように点数を伸ばすことはできなくなります。今ここでそれに気がつかないと、そして勉強に対する姿勢を改めないと、中級への山は越えられないでしょう。ぎりぎりで越えられたとしても、そこ止まりです。

今回の結果は大変ショックだったとみえて、Sさん自身にそういう土俵際に立たされている意識が芽生えてきたようです。日本語の勉強だけでなく、理科も含めて自己改革に成功すると、曙光が見えてきます。でも、ただ目の前の進級だけにこだわっているようだと、理科の才能も伸ばせず、卒業までくすぶり続けることにもなりかねません。

Sさん、これからの1か月が、あなたの留学生活を大きく左右するのですよ。心して過ごしてください。

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