教師の勉強

5月25日(木)

1時間の授業をするためには3時間の準備が必要だ――20年以上も前、私が日本語教師養成講座の受講生だった時、講師の先生がおっしゃっていました。駆け出しのころは、そのぐらい準備に時間をかけていたと思います。しかし、今はそこまで時間をかけません。いや、“かけません”と“かけられません”の中間ぐらいでしょうか。仕事が立て込んでいて、即興に近い形で授業をすることさえあります。そんなことでは学生に対して失礼だろうと思いながら、若干の罪悪感を抱きつつ、でも平気な顔をして、教壇に立つこともあります。

準備が嫌いなわけではありません。本棚に並んでいる10冊以上の辞書を駆使して語句の意味を調べたり、読解テキストの参考になりそうな資料を探したり、数学や物理の問題のオーソドックスではない解法を考え出したりなどということは、何時間やっても飽きません。しかし、次から次と仕事が飛び込んできますから、そういう方面にばかり時間を割り振るわけにはいきません。

午後、読解の勉強会がありました。上級では、今学期から新しい読解の教科書を使い始めました。読解の授業のコンセプトも見直しました。そのため、授業で新しい課に入る前に、上級担当の教師が集まって、その課の取り扱い方を研究しています。

毎回、教師間で読解テキストの捉え方、視点の位置が違うものだなと感心しています。たびたび目からうろこが落ちます。そうすると、授業で新しいことに取り組んでみようかというチャレンジ精神が湧き上がってきます。年寄りには刺激が必要なのです。

この勉強会も授業準備だとしたら、いくらかは3時間に近づいたでしょうか。

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