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5月27日(火)

火曜日は作文系の授業を2つ担当しています。1つは上級の選択授業の小論文で、もう1つはEJUの記述対策です。こちらは、レベル3・4の、6月に初めてEJUを受ける学生が主力です。

どちらも作文系とひとまとめにしてしまいましたが、中身はだいぶ違います。小論文は、自分の意見や考えを明確に主張することが求められます。EJUの記述も、もちろん自分の意見を書きますが、こちらは論理的な文章を書く基礎ができているかどうかが主軸です。小論文は内容にオリジナリティーが求められますが、EJU記述はありきたりの意見であっても、それが型どおりに述べられていれば高い点数が得られます。

上級上位の学生たちはその辺をよくわきまえていて、小論文では思い切った主張をし、EJU記述は無難にこなすといった書き方をします。しかし、上級になりたての学生は、小論文でもどうでもいいような意見しか書きません。批判を恐れているようにも感じられます。初EJUの学生たちは、状況説明で規定の字数になってしまい、自分の意見を書くには至らなかった例がたくさんありました。

それぞれの授業で、そういうことを伝えました。小論文の授業では「君たちの文章は、EJUの記述なら高い点数になるだろうけど、入試本番でこんな文章を書いたらほとんど0点だよ」脅しも込めて言ってやりました。うなずいている学生も数名いました。

EJU記述では、模範解答をパワーポイントで見せました。それだとレベル3・4の学生にはわかりにくい表現もあるので、それをレベル3程度の表現に置き換えた(翻訳した?)ものも見せました。「これだったらみなさんが知っている文法、単語ばかりですね」と言って、あんたたちもこれくらいかけても不思議じゃないんだよと尻を叩きました。授業後、先週の自分の答案はどこが悪いのかと質問に来た学生がいましたから、まあ、多少は効き目があったのでしょう。

EJUまで半月少々ですが、今から鍛えればまだ間に合います。小論文も、果敢に攻める精神を身に付けるだけの時間はあります。

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