旅立ち

3月12日(土)

今週は別れの1週間でもありました。全国各地とまでは言えませんが、北にも西にも卒業生たちが旅立っていきました。東京を離れる学生は、東京で進学する学生よりも、新しい生活への期待も不安も大きいです。受験の際にその町を見ているとはいえ、それはしょせん旅行者の目です。その地で何年間も暮らすとなったら、心配の種には事欠かないでしょう。また、新たな土地へ引っ越すとなると、それにまつわる手続きも自分の手でしなければなりません。1年か2年とはいえ、住み慣れた土地を離れるのは、勇気と根気の要る仕事だと思います。

私も大学進学で地方から東京へ出てきた口ですが、親も親戚も手を貸してくれましたから、KCPの学生たちに比べたら、不安なんか桁違いに小さかったです。就職の時ですら、レールと道路はつながってるんだという気持ちでした。卒業後久しぶりに学校に顔を出した学生は、よく「ふるさとへ帰ったようだ」と言います。私が大学生の時に実家に対して抱いていた感情が、多少は学生たちの気持ちに近いのかもしれません。

となると、我々教師は、実家の母であり父であるわけです(中には姉か兄と思ってもらいたい先生もいらっしゃるでしょうが)。学生が成長した姿を自慢できるのは、ひよこの頃を知っている私たちだけなのです。私たちも、立派になった学生たちの姿を目にするのと、無上の喜びを感じます。

昨年も、私なりに、種をまき、水をやり、台風よけの囲いを作り、実を実らせてきたつもりです。その果実が遠い地でも芳香を放つことを、期待してやみません。

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