最終日

9月18日(水)

Rさんにとっての最後の授業の日は、文法テストで始まりました。いつもと同じように涼しい顔で問題に取り組み、制限時間いっぱいまで入念に答えを見直していました。ペアワークも淡々とこなし、指名されたら几帳面に答え、私が板書したことは一言も漏らすまいとノートに書き留め、始業日から変わらぬ様子で授業を受けていました。

授業の最後に、クラスメートに挨拶をしてもらいました。みんなに聞こえる声で、一言一句かみしめながら、今まで楽しく勉強できたお礼を述べていました。拍手が湧き上がり、Rさんは笑顔で教室を後にしました。

Rさんは今学期の新入生で、アメリカの名門C大学から来ました。学期の初めのころは表情も硬く、めったに言葉を発することもなく、緊張していることが教師側にもビンビン伝わってきました。クラスになじめるだろうかと心配もしました。しかし、3週間ぐらいたったころから日に日に表情が明るくなり、1か月が過ぎるころからは、授業中に積極的に発言するようになりました。やがて、授業中にどんどん疑問点を質問しだし、その質問もさすがC大学の学生という感じで的を射ており、クラスのみんなの信頼を勝ち得ていきました。

学生の冗談にも笑って反応したり、感心した時は大きくうなずいたり、表情も豊かになりました。例文にもその表情の豊かさが現れてきました。学期の最初は指定された文法項目などを盛り込むので精いっぱいだったのに、今ではウィットを利かせた文が作れるようになりました。本当に大きく成長したと思います。

明日からは教室にRさんがいません。なんだか信じられないような気がします。

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