6月22日(月)

朝から雨で気温が上がらず、先週風邪で休んだSさんは、厚手のセーターを着ていました。換気のため窓とドアを開け放った教室は風通しがよすぎて、Sさんぐらいの服装がちょうどよかったかもしれません。

私は漢字の採点を担当しました。平均点は70点前後で、去年までの期末テストと大差がありません。満点に近い学生もいれば、1桁の学生もいます。同じレベルでもずいぶん差がつくものだというのも、いつもの学期の感想と同じです。ただ、今回は、中間テストと比べると、大半の学生が大きく成績を下げていました。

中間テストのころは、まだ全面的にオンライン授業でしたから、中間テストもオンラインで実施されました。どういう出題のしかたをしたかは詳しくはわかりませんが、スマホやタブレットで答えられるような出題方式だったことは確かです。中間テストは電子的に答え、期末テストは手書きで答えたのです。この差が、多くの学生の成績が下がった理由にほかなりません。

ここで考えなければならないことは、学生の実力をより正確に表しているのはどちらの方式かということです。それを判定するには、学生に求められる漢字力はどちらの方式で測った力に近いかです。ここまで考えると、紙に鉛筆で漢字やその読み方を書く方式が優れているとは言い切れないような気がします。

現在は、ワープロで文字を書くのが標準です。私も、この稿もそうですが、手書きで文章を書くなどめったにありません。それこそ、学生の作文を添削するときぐらいでしょう。となると、おそらく選択式だったオンラインの漢字テストの方がより現実的な漢字力を見ていると言えないこともありません。

これからは、テストの出題方式も成績の算出法も、考え直さなければならないでしょう。これもまた、コロナ後の1つの表情でしょう。

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