女の人は‥‥

11月28日(土)

EJUでもJLPTでも、聴解問題では「女の人はこれから何をしますか」とか「男の人はどうして会社を休みましたか」とかという問題が多いです。これは、高い声は女性、低い声は男性という暗黙の了解の上に成り立っています。外国人対象の試験でこういう出題をしているのですから、これは国際的な了解事項なのでしょう。私もそれで問題ないと思っていますが、今後もこれでいけるかとなると、どうでしょう。

何でこんなことを言うかというと、例えば、低い声で性自認が女性という人が上述のような聴解問題に取り組んだら、その問題を違和感なく受け止められるだろうかと思うからです。少し前からインターネットのアンケートでは、性別が男性、女性のほかにその他とか答えたくないとかという選択肢が加えられています。「その他」の人たちが、心にモヤモヤを抱くことなく答えられる問題にしなければいけないんじゃないかと思うのです。

ほかの言語の試験はどうなのでしょう。性的マイノリティーに関して日本よりうるさそうな国で使われている言葉の試験だったら、「女の人は…」などと言わなくてもいいように問題を工夫して作っているような気がします。

そもそも私が考えすぎなのかな。みんな心が広くて、「男の人」は低い声の人を指すと割り切って、ないしはそう考えるのが受験のテクニックだとして、淡々と問題に取り組んでいるのかもしれません。案外、ドイツ語やフランス語の名詞の性みたいなものだとして、気にも留めていなかったりして‥‥。

授業で聴解問題を扱うときは、いつもどぎまぎします。どうすれば、心穏やかに聴解の授業ができるんでしょうか。

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