尻押し

12月1日(月)

レベル1は、いよいよ胸突き八丁にかかってきました。助詞もいろいろな使い方が出てくるし、動詞の活用も増えたし、微妙な違いを含んだ表現も出てくるし、教える方も苦しくなってきます。今までと同じ調子で教えていくと、学生たちは“???”になりかねません。こういう時は、どうにかして学生に印象を残すに限ります。理屈はよくわからないけど、なんか変なことをやったなあ…という方向に持って行きます。

「みんなの日本語」を使っていたころは文法が授業の柱でしたから、思い切って会話をふんだんに取り込んで特徴づけるということもしました。今は、使っている教科書がその反対の意識でつくられていて、会話が授業の中心ですから、文法のしくみに触れることで、学生の記憶になにがしかを残したいと思っています。

でも、やっぱり、主役は学生であり、日本語を身につける主体も学生です。教師は、学生をぐいぐい引っ張るというよりは、学生の尻押しをしている感じでちょうどいいのです。

私の尻押しは、学生の頭の整理のお手伝いです。例えば、既習事項の「写真を撮りますか」「写真を撮りませんか」「写真を撮りましょうか」は何がどう違うのか、これを学生に考えさせます。もちろん、ヒントぐらいは与えますよ。そして、その違いを自分でまとめて納得できれば、レベル2への道も開けていくでしょう。これの繰り返しが、胸突き八丁を越える杖だと思います。

気が付けば、12月です。ひと月でお正月です。学生が明るいお正月を迎えられるよう、今年最後のひと踏ん張りをしなければなりません。

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