Monthly Archives: 10月 2025

絶望的?

10月2日(木)

面接練習をしたいということで朝9時に呼んだHさんが、9時になっても来ませんでした。よく遅刻する学生ですから、そのうち「寝坊しちゃいました」なんて、頭をかきながら入ってくるのではないかと思っていたのですが、9時半になっても何の連絡もありません。10時から打ち合わせが入っていますから、今さら来られても、ろくな面接練習ができません。

10時の打ち合わせが終わり、1階に下りてきたのが11時過ぎ。Hさんが来た気配はありませんでした。席に戻ると、下痢をしたので遅れるというHさんからのメールが10時過ぎに入っていました。しかし、私は12時に病院の予約を入れていましたから、中途半端な時間に来られても待たせるだけになってしまいます。12時半に来いというメールを送って、病院へ向かいました。

病院は待ち時間もなく、検査の結果を聞くだけでしたから、あっという間に終わってしまいました。「異状なし」と告げられただけです。ですから、12:15には学校に戻っていました。

結局、Hさんが来たのは12:45頃でした。言い訳を聞く時間も惜しいので、すぐに面接練習を始めました。意地悪な質問もしましたが、Hさんは黙り込んでしまうことなく、苦し紛れではなさそうなまっとうな受け答えをしてくれました。他の質問も水準以上の内容でした。しかし、言葉使いがいけません。Hさん自身は後で緊張していたと言っていましたが、「やっぱ」とか「めっちゃ」とかくだけた言い方が随所に出てきました。本番でこの話し方をしたらアウトだろうなと思いました。

自分の思いを口から訴えられない学生が大勢いる中で、どんどん言葉が出てくるHさんは頭の回転の速さも感じられ、立派なものだと思いました。でも、タメ口に近い話し方では、お堅いイメージのあるG大学は拾ってくれないでしょう。

それよりも何よりも、受験当日に下痢だろうと頭痛だろうと発熱だろうと、大幅遅刻は門前払いです。そもそも体調管理ができないような受験生には、合格の資格などありません。あさっての朝は、ちゃんと決められた時間までに行ってくれるでしょうか。それが一番不安です。

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本番

10月1日(水)

先週末、SさんからT大学に提出する志望理由書の添削を頼まれました。誤字脱字はありませんでした。それぐらいはAIが見てくれるのでしょう。直さなければ絶対に落ちるだろうというような、致命的におかしな部分もなく、このまま出してもどうにかなりそうな感じはしました。しかし、T大学は“ダメではない”程度で入れてくれる大学ではありません。何か光るもの、とがった部分が欲しいところです。Sさんの志望理由書に最も欠けているのがそれでした。土台が他大学に出した志望理由書で、それに多少手を加えてT大学向けに書き直したものです。そういう文章になる方が自然であり、右から左へと流れ作業でこなして書き上げた文章という感じが拭えませんでした。

そういう意味のことを返信すると、丸一日ほど経ってから、改訂版が送られてきました。今度は自分で調べ考え、字数制限に合わせて推敲を繰り返したと思われる志望理由書でした。どこの大学にも通用しそうな内容が消え、その代わりにT大学の特徴をとらえた志望理由が書かれていました。だいぶとがってきたかなという印象でした。これ以上とがらせると、お読みになる先生によっては嫌悪感を抱かれるのではないかと思い、不自然な日本語表現を指摘してOKを出しました。

程なく、そこを直して志望理由書が無事完成したというメールが届きました。T大学の出願はこれからですが、このくらい時間に余裕を持って動いてもらいたいものです。明日締切なんていう時に志望理由書を送り付けられても、こちらも焦ってしまい、じっくり読んで手を加えるどころではありません。

さて、Sさんの志望理由書は私の手を離れました。次は面接練習でしょうか。面接練習と言えば、明日は朝からHさんを鍛えなければなりません。

受験の秋、本番です。

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