漢字のスリル

1月15日(木)

レベル5には漢字の授業がありますが、私は漢字を教えません。その日に教科書のどのページをやるか決まっていますから、学生にはがっちり予習して来いと言ってあります。予習していろいろ調べたけれどもわからなかったことを、授業の時に私に聞くことにしてあります。

学期の初めはこのやり方が浸透していないのと、こんなこと質問してもいいのだろうかという(教師の立場からすると)余計な心配と、その他種々雑多な感情がないまぜになって、手を挙げる学生がなかなかいません。しかし、誰かが口火を切ると、少しずつ学生の疑問点が表に出てきます。

学生たちがこの授業スタイルに慣れてきて、質問に対するハードルが低くなると、次から次へと質問が出てくるようになります。30分で終わらせる漢字の授業が1時間近くになることもあります。そんな時は、私の与太話を削って帳尻を合わせます。

逆に質問が足りないときは、こちらから逆質問します。昨日は、“逃がす”と“逃す”は何が違うかと聞きました。そして、こういうところまで調べるのが予習だよと、予習の観点を教えました。ちなみに、逃がす”と“逃す”、ちゃんと読めますか(これも学生に教えました)。

学生からの質問に答えることでその日に伝えなければならない事柄がすべて網羅されたならそれでいいのですが、そういう日もめったにありません。中国の漢字との字体の微妙な違いや、学生がよく間違えるポイントや、今勉強している他の科目との関連など、教師の視点からの注意事項を付け加えます。

このやり方はどんな質問が飛んでくるかわかりませんから、危険と言えば危険です。でも、そのスリルが楽しいんですよね。

日本語教師養成講座へのお問い合わせはこちらへ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です