資料を見て

7月25日(月)

上級クラスの教材に、約40年前と現在の、日本人の食料消費量を比較した資料がありました。1日あたり、ご飯が茶わん4杯から3杯に減ったとか、植物油が年に7本から9本に増えたとかというデータです。それに加えて、同じ期間に日本人の家族構成がどう変化したかというデータも載っていました。40年前は夫婦+子供という世帯が多かったですが、今は単身世帯が最も多いなどというデータです。そういったデータを見て、どんなことが言えるか、どんな社会的背景があるかなどについて考えて発表するというわけです。

学生は、野菜や果物や魚が減って肉や油が増えたから、日本人の食生活は不健康な方向に変化したなどと気が付いたことを言ってくれました。上級ですから、この程度のことは難なく言えます。しかし、家族構成の変化と組み合わせてもう一歩踏み込んだ解説をするとなると、できる学生は限られます。大学院進学希望の学生も多いクラスですから、もう少し何か言ってくれるかと思ったら、そうでもありませんでした。

「1人きりだと、ご飯、炊く?」と聞くと、外食とかコンビニ弁当とかという答えが返ってきました。そういうヒントを与えると、「コンビニ弁当は揚げ物が多いから油が増えたんだ」などという方向に話が進みました。補助線を引いてあげると想像が膨らませられ、また、その結果を発表できるあたり、さすが上級と言えましょう。

しかし、中には全然想像が広げられない学生もいます。与えられた2つのデータを見ても何も思い浮かばないと言います。選択式のテストに対応する勉強ばかりしてきたのでしょうか。詰め込み教育ばかりだと、自分なりの答えを生み出すことが難しいんでしょうね。

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