芽がある

10月19日(水)

日本語学校に限らず、文科系志望の学生は、数学が嫌いか苦手にしている例が多いです。私の友人を見ても、数学ができないからという消去法で文科系を志望した数十年前の高校生がおおぜいいました。KCPで文科系の数学の受験講座を受ける学生も例外ではなく、引導を渡す講座、踏ん切りをつけさせる講座になってしまう学期がよくあります。もちろん、非常に優秀な受講生がいることもあります。

今学期の受講生のHさんは、最後に数学を勉強したのは2年前くらいだと言います。また、Jさんは、高校時代、数学は得意ではなかったそうです。自己紹介代わりに受講生に数学力の自己評価を聞いたところ、そんな答えが返ってきました。

数学の得手不得手のほかに、数学的素養があるかどうかを見ます。私の場合、因数分解の説明をし、練習問題をさせます。理系人間なら瞬殺・即答の問題です。この練習問題がどのくらいのスピードでできるかで、数学的な勘が強いか弱いか見当がつきます。

x∧2+5x+6=(x+2)(x+3)

という因数分解ができるかどうかは、足して5、掛けて6になる2つの数字の組み合わせが見つけられるかどうかにかかっています。左辺を見た瞬間に“2と3!”と思い浮かべば、素養ありです。

Hさんは、私の話を聞いているうちに2年のブランクが埋まってきたのか、単純な問題は理系の学生並みのスピードでした。複雑な問題になると手間取りましたが、合格ラインは軽く突破しました。Jさんは、Hさんには負けましたが、頭を抱え込んだり鉛筆を持ったまま固まってしまったりすることなく、問題が解けました。

最低この2人は上手に育てていきたいです。24年進学でもいいと言っていますから、力を伸ばす時間はたっぷりあります。なんだか、文系の数学の時間が楽しみになってきました。

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