通訳の効果

1月12日(木)

学校になついている学生は、教師が手伝ってほしいと声をかけると、喜んで手を貸してくれます。声をかけずとも、荷物をたくさん抱えていると、「持ちましょうか」と言ってくれる学生が少なくありません。「持ちましょうか」さえ未習の初級の学生は、アイコンタクトで申し出てくれます。

このところ感染拡大防止のため活発ではありませんが、学校行事のスタッフも人気があります。こちらの指示が伝わることが前提ですから上級の学生に限られますが、いつも期待以上の働きをしてくれて、本当に助かっています。必ず機転の利く学生が何名か出てきて、その学生を中心に仕事が回るのです。

そんな教師のお手伝いの中で、学生の評価が一番高いのは通訳です。たまたま職員室の前を通りがかった学生を捕まえて初級の学生への通訳を頼んでも、まず間違いなく引き受けてくれます。だいぶ前のことですが、レベル2の学生にレベル1の学生への通訳をしてもらったことがあります。こちらはレベル2の学生にもわかるような日本語を話しているのですが、それを自国語に訳している学生の表情は、自信に満ち溢れていました。また、レベル1の学生の質問や意見を、つたないながらも、私にわかる日本語にしてくれました。「どうもありがとう」とお礼を言うと、「うれしいです」と返ってきました。“お役に立てて”とまでは言えないあたりが、レベル2なのですが…。

今学期の木曜日のクラスには、Mさんがいます。Mさんは先日の入学式で通訳をしてくれました。授業中、クラス全体に多少難しいことを聞いても、真っ先に答えてくれました。できる学生がもっとできるようになった感じです。学校行事の通訳は、教職員、学生の目が集まりますから、花形中の花形です。それをやり遂げたことで、自信が確かなものになったのではないでしょうか。

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